「ハルサイとか聴いてるヤバい奴はクラスで俺だけ。~「春の祭典」初演100周年記念アルバム~」

多感な年頃の少年の心理に訴えかけるクラシック音楽を収録したコンセプトアルバム『ハルサイとか聴いてるヤバい奴はクラスで俺だけ。~「春の祭典」初演100周年記念アルバム~』のダウンロード配信が、5月24日よりスタートした。

このアルバムは、思春期の少年にとっての精神的な通過点ともいえる、孤独、自意識、宇宙、神、死、前衛、反逆などのイメージを持つクラシック音楽を収録したコンピレーション・アルバム。"神は死んだ"という言葉で知られるニーチェの哲学書を元にした「ツァラトゥストラはかく語りき」(リヒャルト・シュトラウス)、トランペットが木管楽器に"存在の永遠"を問いかける「答えのない問い」(チャールズ・アイヴズ)、改造楽器の一種であるプリペアド・ピアノのために書かれた「危険な夜」(ジョン・ケージ)など、"中二病心理"をくすぐる全12曲を収録。モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなどのいわゆるメジャー音楽家の作品はなく、現代により近い、もしくは時代が離れていても何らかの今日性を感じさせるラインナップとなっている。

なお、当アルバムのメイン・コンテンツで、タイトルにもなっているハルサイ=「春の祭典」(イーゴリ・ストラヴィンスキー)は、1913年5月29日にパリで初演されたバレエ作品であり、5月29日に初演100周年。この初演時には、従来の上品なイメージのバレエとは全く異なる、動物的で醜い踊りに激昂した客が、乱闘を始める騒ぎになったと伝えられている。当アルバムは、20世紀音楽の金字塔である「春の祭典」を今一度リスペクトすると共に、古びることのないスキャンダラスな魅力を多くの若い世代に味わっていただきたいというコンセプトのもと制作され、思春期にパンクやヒップホップにのめり込んだリスナーにも本作を通して、思い出すと胸が痛くなるような若かりし日の"黒歴史"を振り返り、大人だからこそわかる「ハルサイ」の魅力を再発見できるような作品を目指し、制作が進められたという。

アルバムは、現在iTunes Storeにて配信中で、今後Amazon MP3での配信も予定されている。価格は900円。

1.edit.Alfonso X: Cantiga de Santa Maria No.77/119~アルフォンソ10世の編纂によるカンティガ集 第77/119番
2.J.S.Bach: Violin Partita No.2 - Ciaccona~シャコンヌ
3.R.Strauss: Also sprach Zarathustra~ツァラトゥストラはかく語りき
4.E.Satie: Vexation~厭がらせ
5.C.Ives: The Unanswered Question~答えのない問い
6.I.Stravinsky: Le Sacre du Printemps~春の祭典(1913年版) - 第1部 大地の礼賛
7.I.Stravinsky: Le Sacre du Printemps~春の祭典(1913年版) - 第2部 生贄の儀式
8.C.Orff: Carmina Burana~カルミナ・ブラーナ - 全世界の支配者なる運命の女神(フォルトゥナ)
9.J.Cage: The Perilous Night~危険な夜 - VI.(プリペアド・ピアノによる)
10.O.Messiaen: La Turangalila-Symphonie~トゥーランガリラ交響曲 - 第3楽章
11.P.Glass: Violin Concerto~ヴァイオリン協奏曲 - 第3楽章
12.L.Vierne: Carillon de Westminster~ウエストミンスターの鐘
※デジタル・ブックレット(iTunes Storeのみ)
演奏: アンサンブル・ユニコーン, イリヤ・カーラー, ロンドン交響楽団, ロバート・クラフト/他