女優・貫地谷しほりが主演を務める映画『くちづけ』(5月25日公開)の公開を記念して、意識的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動「涙活(るいかつ)」との特別試写会が21日、都内で行われた。
原作は、昨年末に惜しまれつつ解散した劇団東京セレソンデラックスが、2万4,000人もの観客を号泣させたといわれる舞台。知的障害者が生活するグループホーム「ひまわり荘」を舞台に、7歳の子どものまま止まってしまった30歳の阿波野マコ(貫地谷しほり)と男手ひとつで育てるために30年間休業した漫画家"愛情いっぽん"こと、父・幸助(竹中直人)との深く、優しく、残酷な愛の物語を描いた。
OLやサラリーマンを中心にひそかなブームとなっている「涙活」は、離婚式プランナーの寺井広樹氏が提唱する活動。映画、音楽、詩の朗読など毎回テーマを設けて月に1度、イベントを開催し、参加者たちはそれらの作品を通して普段はあまり流さな涙を能動的に流し、ストレスを発散することを目的としている。この日は、これまで数々の"涙"コンテンツを紹介してきた"涙ソムリエ"と呼ばれる・嵯峨崇司氏が登場。上映前に登壇した嵯峨氏は「涙は見たお客さんの結果なので、僕はいわゆる"お涙ちょうだい"ものは避けます。だから本作のように"今年一番泣ける映画"というようなものは、正直どうかなと思っていた」と打ち明け、「涙ソムリエをやっているので自分が泣いてしまっては仕事にならないと思って見たけれど、これは非常に泣けました」と本作の魅力を伝えた。
試写会後は、涙を流した者同士が集まり、映画の感想などを語り合う時間"涙友(るいとも)タイム"が設けられ、20数名が参加した。涙を流すことでリラックス効果を生み、心が開かれた状態でコミュニケーションを図るという目的のとおり、参加者たちは初対面にも関わらず、さまざまな感想を寄せていた。