JR東海はこのほど、中央新幹線の中間駅のイメージをまとめ、発表した。建設費だけでなく、開業後の運営費も圧縮するため、「大胆に効率性と機能性を徹底して追求したコンパクトな駅」をめざすという。

中間地上駅の外観透視図(2点ともJR東海提供)

同社は超電導リニアによる中央新幹線計画を進めており、第1局面となる東京都・名古屋市間において、概略のルートと駅位置が示された。中間駅は神奈川県・山梨県・長野県・岐阜県の各県に1駅ずつ設置する計画となっている。

中間地上駅の断面図(JR東海提供)

中央新幹線はJR東海の自己負担により路線建設を行うプロジェクトであり、工事費やコストについては、同社が設置した「中央新幹線工事費削減委員会」が検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進める。駅の建設費は同社の負担で整備するが、「将来の旅客輸送のあり方を踏まえ、従来の形にとらわれず、営業専任要員は配置しない」(JR東海)など、徹底してコンパクトな駅とする。

このほど公開された中間地上駅のイメージも、設置されるのはホーム、階段、エレベーター、エスカレーター、入出場口、改札設備、旅客トイレ、施設管理事務所(仮称)のみとされ、きわめてシンプルな構造に(中間地下駅はおおむね中間地上駅の上下が逆になったイメージ)。明かりフードや防音壁など、適切な環境対策も施すとのこと。

なお、中間地上駅の高架下(1階)については、駅施設となる部分を除き、地元などの賃借可能部分となる。駅施設の他に必要となる施設を地元などが負担することで、さまざまな機能をあわせ持つ複合施設とすることも可能。JR東海では、必要な施設の整備に関して、地元負担を前提に相談・検討していくとしている。