JR東日本は13日、全乗務員(運転士・車掌)にタブレット端末を導入すると発表した。「iPad mini」(7.9インチタブレット端末)を約7,000台導入する予定。今年度中に首都圏から順次導入するという。
同社は昨年10月策定の「グループ経営構想V(ファイブ) ~限りなき前進~」にて、ICT(情報通信技術)を活用した業務革新により、輸送品質・サービス品質の向上を図るとしている。昨年10月から今年1月にかけて、タブレット端末85台による試行も実施しており、良好な結果を得たという。ICTをさらに活用し、現場第一線における業務革新を実現するため、全乗務員がタブレット端末を携行することに。
タブレット端末の活用により、乗務員はウェブサイトから状況に応じた情報を直接入手でき、車内放送や車内・車外への案内などに活用することで、サービス向上にもつながる。多くのマニュアル類を電子化し、一括管理すれば、更新・管理作業も簡易化される。
輸送障害が発生した場合も、タブレット端末からマニュアル類を閲覧できるため、対応能力向上や知識・技能の維持向上に役立つ。輸送障害の発生で乗務員が担当列車を変更する際、従来は新たな担当列車の時刻表を乗務員に手渡しで届ける必要があったが、タブレット端末なら必要なデータを直接送付するだけでよく、手渡し作業にかかる手間を大幅に削減できる。これにより、輸送障害対応の迅速化と輸送品質の向上が見込めるという。
JR東日本によれば、タブレット端末の導入を進めた後の展開として、サービスの向上や輸送障害発生時などに活用可能なコンテンツおよびアプリケーションを増やす予定。今後も積極的にICTを活用し、業務革新を進めるとしている。