フォルクスワーゲン グループはこのほど、今季から参戦している世界ラリー選手権(WRC)で、早くも3勝目をあげたことを発表した。同社のWRC本格参戦はマシン、チーム体制の両面で大きな注目を集めていたが、4戦で3勝を挙げる圧倒的な強さで、話題性だけでなく実力があることを証明している。
フォルクスワーゲンでは、ダウンサイジングを標ぼうする同社の小排気量エンジン「TSI」をアピールするため、今季からWRCに本格参戦している。専用に開発したマシン「ポロR WRC」は2011年から開発を進め、また、その段階から一流ドライバーのセバスチャン・オジェ選手が開発に関わるなど、万全の体制で準備を進めてきた。さらに、参戦発表会をモナコのカジノ前広場で華々しく開催し、大きな注目を集めていた。
開幕戦のモンテカルロラリーで早くもオジェ選手が2位に入り、その後の第2戦・第3戦でもオジェ選手が連続優勝を遂げるなど活躍を見せた。
迎えた第4戦のラリー・ポルトガルでは、フォルクスワーゲンは3台の「ポロR WRC」を投入し、これまで以上の体制でレースに臨んだ。地中海に面したリゾート地、ファロを起点に開催されたラリー・ポルトガルはグラベル(未舗装路)・ラリーであることが特徴。オジェ選手はマシントラブルに見舞われながらも終始トップを独走し、今季3勝目をあげた。また、同じ「ポロR WRC」をドライブするラトバラ選手が3位、ミケルセン選手が6位となり、3台の「ポロR WRC」はいずれも上位に入る活躍を見せた。