東京急行電鉄と総合車両製作所(J-TREC)は10日、共同で開発を進めていた次世代ステンレス車両「sustina」(サスティナ)シリーズの導入を発表した。第1号車両は5月中旬、東急電鉄5050系でデビューする。

東急電鉄5050系。5月より「sustina」シリーズの車両が導入される

J-TRECの前身である東急車輛製造は、1958(昭和33)年に日本初のステンレス車両(東急電鉄5200系)を開発して以来、パイオニアメーカーとして8,000両以上ものステンレス車両を製造してきた。J-TRECの発足後、海外向けに「sustina」のブランド名でステンレス車両の優位性を訴求するとし、今月8日には同ブランドを国内でも展開すると発表している(本誌ニュースも参照)。

「sustina」とは、JIS規格でのステンレス鋼の略号「SUS」と、「支持できる」「耐えうる」または「環境を破壊しない」などの意味を持つ「sustainable」をイメージした造語。海外向けロゴマークは日本をイメージしたデザインに、国内向けロゴマークは地球をイメージしたデザインとなった。

「sustina」シリーズでは、車両構造の変更や骨組みの軽量化などにより、アルミ車両と同等の車体軽量化を実現。レーザー溶接を積極的に採用し、水密性(雨水浸入の防止)が向上したほか、雨どい・ドア・窓回りなどの凹凸が少なくなり、フラットですっきりとした外観デザインとなる。走行時の消費電力量削減など、省エネルギー性の向上も図られる。

東急5050系はおもに東横線などで使用される車両。5月中旬に5050系へ導入される第1号車両を先駆けに、国内向け次世代ステンレス車両として「sustina」シリーズを展開する。「今後も、東急電鉄とJ-TRECは、鉄道を利用されるお客様そして鉄道事業者各社にとって魅力的な、次世代ステンレス車両の開発・導入に引き続き取り組んでまいります」とのこと。