映画『つやのよる』の初日舞台あいさつが26日、東京・丸の内TOEIで行われ、キャストの阿部寛、野波麻帆、真木よう子、忽那汐里、永山絢斗と行定勲監督が出席した。
主演の阿部は「初めて愛に生きる男を演じました。刺激的な作品に出れて光栄です」とあいさつし、「脚本を読んだ時は、激しくて暗い男だなぁと(笑)。でも、演じている間に滑稽で人間味のある男だという事が分かった」と役どころを振り返った。行定監督は、11kgの減量をして役に臨んだ阿部について「狂気に満ちてて何をやっても松生に見える。壮絶さも含めて楽しんでくれていたので心強かった」と大絶賛し、「観た後に自分の身の置き所が分かったり、愛って何だろうと考える作品になった」と自信を持ってPR。昨年12月に俳優の水上剣星と入籍し、現在妊娠4カ月の野波は、MCに"愛の言葉"を聞かれると「いっぱい愛してあげるから、安心して産まれて来てねと言いたい」と幸せいっぱいで、阿部は会場に集まった観客に「愛してます!」とメッセージを贈り、観客の1人に花束を手渡した。
また、同作の"愛に生きる男"に対し、最近増えている"草食系男子"や"絶食系男子"の話題になると、阿部は「良いんじゃないですか?自分の経験上、色々やりたい事があったのに愛に振り回される時間が多くて……。無駄な時間だったなと思ってる」とぶっちゃけると、行定監督も「この映画はその無駄な時間を描いてる」とニヤリ。一方の女性陣は「草食系は好きじゃない。男女共に肉食系であって欲しい」(野波)、「恋しない人って本当にいるんですか?お坊さんみたいでスゴイですね。よく分かんない」(真木)とバッサリ。「今大学に通ってるけど、そういう人が多いかも」と出演者の中で1番年下の忽那も同調し、同作で描いた愛について「大人の愛の形って色々あるんだなぁ、恐ろしいなぁと思いました」と大人の恋愛に戦々恐々としていた。
映画『つやのよる』は、直木賞作家・井上荒野原作の同名小説が原作の大人のラブストーリー。妻と娘を捨てた松生(阿部)は、奔放な“艶”という女性と駆け落ちするも、"艶"は病に冒され昏睡状態になる。常に彼女の不貞に悩まされ続けた松生は、愛の深さを確かめたい一心で、過去に彼女と関係を持った男たちに連絡を取り始める。その行動は、男たちのみならず、"艶"の存在に気付いた周囲の女たちをも困惑させていく――というストーリーで、映画は全国公開中。