感情の「識別」「利用」「理解」「調整」で構成される「EQ」

メンタルヘルスケア対策、就業障がい者支援事業など人事ソリューションを提供するアドバンテッジ リスク マネジメントはこのほど、同社で提供している採用適性検査「アドバンテッジ インサイト」に関して、新卒応募者の受検データをもとに「ゆとり教育世代」「非ゆとり教育世代」の比較分析を行い、結果を発表した。

「非ゆとり教育世代」と「ゆとり教育世代」の「EQ」を比較

「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」は「感情知能」と呼ばれ、感情をうまく使いこなす力のことを指し、「感情の識別」「感情の利用」「感情の理解」「感情の調整」の4つの能力に分けられる。

同調査では、受検した年次ごとに各年2,000例の受検データをランダムに抽出。2003年から2005年までの受検者を「非ゆとり教育世代」、2009年から2011年の受検者を「ゆとり教育世代」として2つのグループに分け、「EQ」の観点からこうしたゆとり世代の傾向を調査・分析した。

「相手の立場に立って考える」ことや「適切な感情の表現」が苦手

一般的にゆとり世代と呼ばれる新入社員・若手社員は、空気を読む力が高く、コミュニケーションの際に周囲に合わせる傾向があるといわれている。

調査の結果、相手の気持ちやその場の雰囲気を敏感に察知して合わせる能力は確かに伸びているものの、相手の感情がなぜ発生したのかといった原因を分析して理解したり、感情が今後どう変化し、どのような行動につながっていくかを予測する能力がやや不得手で、結果として相手の立場に立って考えたり、相手への共感が苦手であるという傾向が明らかになった。

また、自分自身の感情についての分析も不得手であることから、相手にうまく適切な感情を伝えられなかったり、自分自身の不適切な感情を押さえたりするための適切な問題解決がはかれないなどの結果に結びついていることが考えられる。

ゆとり世代は「相手への共感」や「感情表現」が苦手