俳優の堺雅人、山田孝之、綾野剛らが7日、東京・ユナイテッドシネマ豊洲にて行われた映画『その夜の侍』の完成披露試写会に出席し、舞台あいさつを行った。
11月17日公開の本作は、ひき逃げ事故で妻・久子(坂井真紀)を失った鉄工所経営の男・中村健一(堺雅人)が、その久子をひき逃げした犯人・木島宏(山田孝之)を追い詰める物語。主演を務めた堺雅人は「僕はとても大好きな作品です。どうぞ皆さまの人生、心に深く、深く突き刺さるように祈っております」と感慨深げにあいさつ。絶望の淵をさまよい続けるストーリーにも、堺は「僕は本当に大好きな映画」と語り、「願わくば皆さんの心に希望として心に突き刺さる事を願うばかりです」と作品に込めた思いを語った。
また、堺とは初めての共演となった山田孝之は「つらい、寒い、帰りたい、もう嫌だ…そんな感じです」と厳しい現場を振り返り、「堺さんとついにお会いできるんだ、と楽しみでしたがいざはじまると嫌で嫌で…かなり早い段階から全て失ったので…」と胸の内を明かした。それを受けた堺も「5分くらいだったね、浮ついた気持ちは(笑)」と語るなど、2人の言葉からも本作がいかに重厚なストーリーかをうかがわせる。
また、今年に入り『アウトレイジ ビヨンド』『闇金ウシジマくん』『ヘルタースケルター』などに出演し、本作が今年で10作目となる新井浩文は「これは記念すべきラストの作品で、自分が自信のあるベスト3に入ってます!」と自信満々。また、来年にすでに4本の映画の公開を控える綾野剛は、「愚かな姿が実直に出ている感じで、すごいものができてしまったという感覚が大きいですね」と感想を語っていた。
そのほか、この日は田口トモロヲ、谷村美月、赤堀雅秋監督が出席。本作品が映画監督デビューとなった赤堀監督は「この物語に出てくる登場人物は普通の凡庸な人たちを体現しています。みなさん、役になりきっていただくことに本当に終始していただきました。ベストキャスティングでやらせていただいたので大変光栄です」と語り、「暴力描写なグロテスクな面等を前評判で取り上げていただく事が多いですが、これは『愛と希望の映画です』」と作品をアピールした。
(C)2012「その夜の侍」製作委員会