ドワンゴは、ニコニコ動画新バージョン発表会を17日、六本木・ニコファーレにて開催し、現在の「ニコニコ動画Zero」から「ニコニコ動画Q」へとバージョンチェンジすることを発表した。11月17日に公開を予定している『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とコラボレーションし、サイト内のさまざまな部分に『ヱヴァンゲリヲン』の要素を追加する。

また、ニコニコ静画では10月24日から本格的な電子書籍事業に乗り出すことを発表。新規124社の出版社と提携し、コミック・ライトノベルを中心に総数3万冊でスタートする。niconicoはどう変わったのか。発表会の模様を振り返りながら、新バージョンとなったniconicoについて解説していこう。

原点回帰をテーマにした「Zero」の評判が芳しくなかったため、公開からわずか170日で新バージョンへ

発表によると、新プレーヤー「Qwatch」のテーマは、「軽くて速いプレーヤー動作」「使いやすいデザイン」の2つ。これまでのプレーヤー「ZeroWatch」への不満や批判を踏まえた改善が取り入れられているという。

こちらが新バージョン「Q」

触ってみたところ、以下の点が変更になっていた。

  • 画面の大きさを「中画面」「大画面」から選べる。原宿は中画面、Zeroは大画面だった。ただし画面比率が「864×486」から「854×480」に変更されている。
  • 再生リストにマウスカーソルをのせてもサムネイルが拡大されなくなった。Zeroではサムネイルが拡大され、ポップアップする動画説明文が動画プレーヤーにかぶることがあった。
  • タグが2行から3行表示になり、Zeroよりも見やすくなった。
  • 動画説明文とプレーヤーのエリアが色分けされた。
  • 視聴履歴をデバイスで共有できるようになった。

使いやすさにこだわったという「Q」。果たしてユーザーからの評価はどうか……

印象としては、Zeroで出ていた不満点をすべてそれ以前の原宿バージョンに戻したという感じである。ただしページ遷移なしに違う動画に移れる機能など、Zeroで評判のよかった部分はそのまま踏襲されている。市場や動画レビューなど、画面下部のデザインについてはほぼ変更はない。

プレーヤーが軽くなったかどうかについては時間帯や個々の回線の問題もあるので何ともいえないが、少なくとも悪化していることはなさそうだ。ドワンゴによると"「Zero」に毛が生えた程度の変更"ということだが、おおむね悪くない変更だろうと思う。

ドワンゴ会長・川上氏

続いてはニコニコ生放送だ。こちらも「ニコニコ生放送:Q」となり、トップページのデザインが大きく変わった。縦に長かったページレイアウトをすっきりとまとめ、直感的に番組内容がわかるようアイコン表示が追加された。また、今までは16:9の配信であっても画面は4:3で固定されていたが、Qバージョンからは16:9プレーヤーでの配信にも対応するようになった。地味にうれしい修正だ。

そして、ニコニコ動画と11月17日に公開される『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とのコラボレーションについての発表が行われた。

ヱヴァとのコラボということで夏野氏の服装もヱヴァ仕様

ポスターやステッカー、マグカップなどコラボグッズも製作するという

そもそも今回のバージョン名である「Q」自体、ヱヴァとのコラボを意識してつけられたもの。コラボ期間中はniconicoに「ヱヴァンゲリヲンMODE」を搭載し、サイトレイアウトを変更するほか、削除動画や時報で流れる音声に葛城ミサト役の三石琴乃と伊吹マヤ役の長沢美樹を起用する。

会場に流れるニコニコ生放送のコメントまでヱヴァ仕様に

サイトのデザインも変わる

また10月25日から12月20日にかけてTVシリーズ全26話を放映し、2013年1月1日からはニコニコ生放送にて一挙放送も行う。さらにニコニコカーで日本中を回る全国キャラバンに2メートルの初号機を同行させ、最終的には東京スカイツリーにヱヴァ神社を建立するという。11月から来年にかけて、『ヱヴァンゲリヲン』旋風がニコニコ動画でも巻き起こりそうだ。……続きを読む