落語家の桂歌丸、お笑い芸人の劇団ひとりらが16日、東京・テアトル新宿で行われた、アニメ映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』の特別試写会に出席した。

前列左から、原作者の桜庭一樹、宮地昌幸監督、桂歌丸、後列左から、宮野真守、劇団ひとり、Chara 拡大画像を見る

映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』は、伝奇小説の古典『南総里見八犬伝』を直木賞作家の桜庭一樹が新解釈した小説『伏 贋作・里見八犬伝』が原作の長編アニメーション。ひょんなことから猟師の女の子・浜路(声:寿美菜子)は、人と犬の血を引き人の生珠(いきだま)を喰らう"伏"と呼ばれる者たちを退治することになる。慣れない江戸を彷徨う浜路は、深川一座の看板役者で伏姫を演じる青年・信乃(声:宮野真守)と出会う――というストーリーで、映画は20日から全国公開。

舞台あいさつには、声優を務めた桂(滝沢馬琴役)、劇団ひとり(世四郎役)、寿、宮野、主題歌を担当した歌手のChara、原作者の桜庭一樹、宮地昌幸監督が出席し、宮地監督は「全体が良いアンサンブルになってる。何回見ても楽しく観れる工夫を凝らしてます」と自信を持ってPR。劇団ひとりも「久々に、ジブリに対抗出来るアニメができた!」と太鼓判を押し、声優としても参加しているCharaは「許されない恋って世の中にはあると思う。監督の世界のお手伝いができた」とにっこり。桂はオファーの際、一度断ったそうで「監督が付きっきりで指導してくれるって言うんで、いやいや承諾した」と苦笑いで明かし、「アニメなんかを見てても、声優さんはすごい技術を持ってて敵わない。私のは"落語家がアルバイトでやってる"と思って、鷹揚に聞いて欲しい」と控えめにアピールした。

イベント終了後、報道陣の取材に応じた桂は「声優も舞台あいさつも初めてで、古いのは本人だけ(笑)。終わってほっとした。早く帰りたい」と胸をなでおろしつつ、「声優の仕事はすごく勉強になったので、落語に取り入れたい。出来は、座布団15枚くらいかな?」とニンマリ。「アフレコでは師匠自ら、何度も繰り返しやってくれて感動しました」(宮地監督)、「僕がどうこう言える立場じゃないけど、良かったんじゃないですか?」(劇団ひとり)と称賛されると、桂は「気に入られるように何回もやりました。正直言うと今度は極悪人をやってみたい」と声優仕事にまんざらでも無い様子。また、報道陣から謎かけをお願いされると「悪役とかけてテレビやラジオの放送禁止用語と解く。その心は……、すぐ斬(切)られます!」と即興で披露し、劇団ひとりらを感嘆させていた。