新生銀行は24日、「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」を発表した。同調査は、1979年に開始した「サラリーマンのお小遣い調査」について、調査結果の変遷を取りまとめたもの。

それによると、サラリーマンの1カ月のお小遣いは、バブル絶頂期である1990年の7万7,725円をピークに徐々に減少し、2012年は1981年(4万833円)と同程度の3万9,756円まで減ったことが明らかになった。

お小遣いと収入との関係を調べたところ、2001年までは高い相関関係にあったが、近年は月収の下げ幅を超えて減少していることが判明。2010年の場合、収入はバブル期の1989年とほぼ同程度であったが、お小遣いの額は1989年の5万3,000円と比べて2割以上も少ない4万1,910円だった。

お小遣い額の30年間の変遷(出典:新生銀行Webサイト)

昼食代の変遷を見ると、ピークである1992年の746円から減少傾向にあり、2005年以降は500円前後で推移。これは1979年と同水準。昼食の内容については、1993年には41.1%が外食中心であったが、2012年には「社食」や「持参弁当」「購入弁当」が上位を占め、中でも「持参弁当」は5割以上に上った。また、昼食にかける時間は、1983年の平均23分に対し、1993年は27.6分、2012年には19.6分と約3分の2まで減少している。

1カ月の飲み回数を見たところ、1999年には6.0回だったのに対し、2012年には2.4回まで減少。これを週に換算すると、1999年の週1.5回から2012年には0.6回まで減ったことが分かった。1回の飲み代も、2001年の6,160円から2012年には2,860円と半分以下に激減し、調査史上最低額を記録。さらに、仕事の後に外食しない人も2012年には37.9%を占め、家飲みが定着しつつあることがうかがえる。

「お小遣い対策・節約のためにしていること」としては、1981年以降「昼食代」と「飲み代」が上位に常にランクイン。そのほかの節約術は時代とともに変化しており、1982年以降からバブル期にかけては「タクシー乗車」が上位に入っていたが、バブル崩壊後は下位に沈んでいる。また、近年は「弁当持参」に加えて「水筒持参」も増えており、2012年には各世代で20%前後の人が水筒を持参していることが分かった。

「給料以外の収入」がある人は、2005年の調査開始以降(2011年、2012年は未実施)年々多くなっており、2005年の29.8%に対し、2010年には41.5%と4割を超えた。副収入の内訳は、「株式」「投資信託」「為替・FX」などの運用が主であるほか、「ネットオークション」による収入も増えつつあり、副収入がある人の3分の2以上が利用している。加えて、2010年には「副業」する人が19.0%、「アルバイト」する人が10.8%と、2足のわらじを履く人が増えつつあることが明らかになった。