肥薩おれんじ鉄道はこのほど、同社保有車両を改造し運行する観光列車の愛称を「おれんじ食堂 九州西海岸食楽列車」(以下「おれんじ食堂」)とし、2013年3月より運行開始することを発表した。列車のデザインは九州新幹線などを手がけた水戸岡鋭治氏が担当した。

肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」外観イメージ

肥薩おれんじ鉄道は旧鹿児島本線の八代~川内間(営業キロ116.9km)を運営する第3セクター鉄道会社で、新潟トランシス製のディーゼル車両19両(一般車両17両、イベント兼用型車両2両)を保有する。新たに登場する観光列車「おれんじ食堂」は2両編成で、紺色をメインとした車体にロゴマークを各所に配した外観、木目調のインテリアなど、水戸岡氏が手がけた車両ならではの特徴も随所に見られる。

同社の路線には、不知火海や東シナ海といった海外線のそばを走る風光明媚な区間も。「おれんじ食堂」では、「九州西海岸を眺めながら、ゆったり、のんびり、スローライフな旅」を提案しており、車内にはブッフェ(キッチン)が設置され、地産地消の料理や飲みものなどを提供する。九州西海岸沿線の旬の食材を用い、さまざまな提携先とアイデア・コラボした「逸品メニュー」も提供予定とのこと。

車内イメージ。季節の食を楽しみつつ、スローライフな鉄道の旅が楽しめる空間に

その他にも、ダイニングテーブルやドリンクカウンター、セパレートタイプの個室などを設置。パーサーとアテンダントが乗務し、利用者の旅の思い出をサポートする。車内ではカントリーミュージックなど心地良い音楽も流れるという。「おれんじ食堂」については、来年3月のデビュー以降、年間200~230日程度、1日あたり3便運行し、料金や運行ダイヤは10月頃をめどに公表する予定と報じられている。