2012年11月10日(土)より公開が予定されている映画『悪の教典』の豪華キャスト陣が10日、発表された。今回明らかとなったのは、伊藤英明演じるサイコパス教師・蓮実のターゲットとなる生徒役、教師役の計4人。
『悪の教典』は、貴志祐介原作の同名ミステリー小説を、三池崇史監督を迎えて映画化した作品。有能で周囲から絶大な人気を誇る高校教師が実は反社会性人格障害(サイコパス)であり、一部生徒から疑いを持たれたことをきっかけに、やがて生徒、同僚など学園すべてを巻き込んだ恐るべき血塗れの大惨殺事件へと発展していく。貴志祐介による原作は、第1回山田風太郎賞受賞作、宝島社「このミステリーがすごい! 2011」国内部門1位、第144回直木三十五賞候補作、第32回吉川英治文学新人賞候補作、2011年本屋大賞ノミネート作と名だたる賞の受賞・ノミネートを果たしている。
今回発表されたキャストは、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、山田孝之の4人。三池組に思い焦がれていたという二階堂ふみは、直感が鋭く、蓮実への不信感を抱いている片桐怜花役を演じ「最高のエンターテイメントになるよう、現場に激しく片桐怜花をぶつけていきたいと思います」と出演への意気込みを語っている。そして、怜花のことを想う同級生であり、集団カンニングを首謀する早水圭介役には染谷将太。彼は「赤にもいろいろな赤があると思いますが、三池大先生のイメージする赤色の血を、流したいと思います」と本作ならではの"赤"を追求する姿勢を見せた。
怜花と同じく2年4組の生徒で、同性愛者であり、蓮実の同僚教師と関係を持っている前島雅彦役に抜擢された林遣都は、「確実に衝撃的な作品になると思うので、完成を楽しみにしながら撮影の日々を送っています。孤立していて少し変わった役柄ですが、一つの学園の中でのお話なので、生徒の皆と良い雰囲気を作る事を心がけたいです」と話している。
蓮実の同僚で、生徒にセクハラをする体育教師・柴原徹朗役の山田孝之は、「台本を読んでストーリーや役に惹かれたのと、やはり三池さんの作品には出たいという気持ちからオファーを受けました」と三池組への想いと、「三池さんや伊藤さん、先輩方からまだ知らないことを教わりたい、遣都やふみちゃん達を見て、新鮮な感覚を取り戻したい」と貪欲な心境を明かしている。
本作は、監督・キャスト合わせて、ベネチア国際映画祭経験者が5名も集結。海外の映画祭では常連の三池監督は、2007年の『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』で伊藤英明と、2010年『十三人の刺客』では山田孝之とベネチア映画祭に参加。さらに、2011年『ヒミズ』で日本人で初めて最優秀新人俳優賞にあたる"マルチェロ・マストロヤンニ賞"を受賞した染谷将太と二階堂ふみの二人を生徒役に抜擢し、第69回ベネチア国際映画祭への出品を目指す。
プロデューサーの臼井央によると、ベネチア国際映画祭については、クランクアップ後、すぐに三池監督が編集作業に入り、急ピッチで海外映画祭の選考に間に合うよう進めるスケジュールを組んでいるという。映画は4月10日にクランクインし、撮影はこれから怒涛の惨殺シーンに突入するという。
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