2011年秋に1stシーズンが放送されたTVアニメ『Fate/Zero(フェイト/ゼロ)』。これを収録した「Blu-ray Disc Box I」(3万9900円 ※税込)が発売初週に約4万3000セットを売り上げるなど、圧倒的な人気を誇っている。そしてその2ndシーズンが2012年4月より放送中だ。そこで2ndシーズンから見始める人のために、今からでも間に合う『Fate/Zero』の基礎知識と見どころ……その一部を独断と偏見でご紹介しよう!

◆そもそも「聖杯戦争」って何?
 「聖杯」とは60年に1度現れるという、どんな願いもかなえられる願望機のこと。7人のマスター(魔術師)が、それぞれのサーヴァント(英霊)を召喚・契約し、ペアになってバトルロイヤルを繰り広げていく……。その聖杯を巡る争いを「聖杯戦争」と呼ぶ。ちなみに『Fate/Zero』は「第四次聖杯戦争」を描いている作品で、その10年後を描いた同シリーズ『Fate/stay night』(フェイト/ステイナイト)の世界へと続く始まり(Zero)に至る物語だ。迫力の戦闘シーンはもちろんのこと、マスター同士の人間関係とその思惑、マスターとサーヴァントとの確執などにも注目して見てほしい。

◆勝利のためには手段を選ばない主人公
 主人公はマスターの衛宮切嗣(えみやきりつぐ)、戦いの根絶と世界平和を望んでいる人物だ。と、ここまでは正義感あふれる主人公らしい設定に感じるのだが、彼は多数を救うために少数を切り捨てる方針で、卑怯(ひきょう)とも思える行動を平然とやってのける。遠方からライフルや爆薬で敵を仕留めたり、自分の妻・アイリスフィールをマスターに見せかけたりと、正面から戦う気はさらさらゼロだ。一方、相方のサーヴァントはセイバー。騎士王アーサー・ペンドラゴンの英霊である。騎士道精神のもと正々堂々とした戦いを望むセイバーと、それを無視して暗殺の作戦を立てる切嗣。まったく馬が合わず、お互いに歩み寄る気もゼロ。そんな2人がどのように勝ち抜いていくのか見ものである。

◆清々しいまでのオレ様キャラ!
 敵対勢力の一人、遠坂時臣(とおさかときおみ)が呼び出したのは、アーチャーこと英雄王ギルガメッシュ。最強の武器を持つサーヴァントの召喚に成功し、時臣は勝利を確信した。ところがこの英雄王、とにかく尊大な性格で、マスターの時臣からの指示に従う気ゼロ。「常に余裕をもって優雅たれ」をモットーにしている時臣が、感情をおさえながらアーチャーに頭を下げる様子は他陣営にはない、立場逆転の光景……。でも、「せめて散り様で我(オレ)を興じさせよ、雑種!」「雑種ども、次までに有象無象を間引いておけ」などなど、自分以外の他者を「雑種」呼ばわりするアーチャーのセリフはある意味、爽快! 聞いているうちにクセになるかも!?

◆報われないおじさんが涙を誘う!
 遠坂時臣を恨んでいるのは、マスターの間桐雁夜(まとうかりや)。幼なじみで現在は時臣の妻になっている葵(あおい)を一途に想い続けている人物だ。魔術の家を嫌って一般人として生きていたが、葵の娘・桜(さくら)が間桐家に養子に出され、過酷な修業を受けさせられていることを知り、「おじさんが桜ちゃんを助けるからね!(そして葵さんを喜ばせるからね!)」と参戦を決意。魔術師としては未熟なので、体中に「刻印虫(こくいんちゅう)」という魔術の蟲(むし)を宿して強化しているのだが、その副作用で身も心もボロボロ! 戦いのたびに吐血しつつ、時臣に対する恨みを募らせていく……。もうやめて、おじさんのライフはゼロよ! そんな、努力が報われない雁夜おじさんにシンパシーを感じてしまう人もいるとかいないとか。ちなみに、サーヴァントのバーサーカーも狂化のために正気を失っている。なんの英霊だか不明だが、セイバーを前にすると暴走するところにヒントがある!?

◆これぞ王道チーム!? でこぼこコンビ
 筆者の周りの『Fate/Zero』ファンの間で、男性からの支持がアツく向かうところ敵ゼロなのが「ライダー陣営」。マスターはウェイバー・ベルベットという青年で、魔術師としてはひよっこの実力。また、19歳にしては外見も中身もやや幼い印象だ。そんなウェイバーの反発に対し、ときに喝を飛ばし、ときに優しく諭すのが、ライダーことイスカンダル。豪快で破天荒な気性のサーヴァントだが、体格だけではなく器まで大きい人物だ! 死してなお臣下たちに慕われているマケドニアの征服王は、同性から見てもカッコイイと認めざるを得ない。ライダーの含蓄(がんちく)のある言葉とウェイバーの成長は、殺伐とした戦いの中での一瞬の救いといえる。

 ほかにも個性的なキャラクターばかり登場するので、応援したくなるお気に入りのコンビがきっと見つかるはずだ。登場人物がそれぞれの願いを胸に抱き、命がけで戦う「聖杯戦争」。今後の展開も一挙一動見逃せない!!

文●サンプラント

2012年4月より、TOKYO MX・MBS他にてセカンドシーズン放送中
公式HP http://www.fate-zero.jp/

画像は(C)Nitroplus/TYPE-MOON・ufotable・FZPC

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