――発売日の2月14日というのはややイレギュラーですが、バレンタインにあわせたわけですよね

新谷「火曜日ですからね。『どうしてもバレンタインデーに出したい』って、プロデューサーから言われて(笑)」

――新谷さんの希望ではないのですか?

新谷「CDの発売は水曜日じゃないとダメだと思っていたので、全然意識もしていませんでした。だから逆に、火曜日だけどいいんですか? って(笑)」

――発売日がバレンタインデーということで、ベタな質問で申し訳ないのですが、何か思い出などはありますか?

新谷「10年仕事をしていると、バレンタインデーの思い出なんか枯れちゃいました(笑)。仕事を始める前の20年間を振り返ってみても、バレンタインで面白いネタなんか、良くて2つか3つぐらいですよね。そんなもの仕事を始めて2~3年で全部使い切ってしまうじゃないですか」

――すぐにストックも切れますよね

新谷「バレンタインデーは、学生が一番楽しいイベントだと思うんですよ。下駄箱がどうのとか、机の引き出しがどうのとか。でも、こういう仕事をしていると、下駄箱もなければ、机もない。そういう楽しみ方は大人にはできないですよね」

――しかも、14日に会えるとも限らない

新谷「そうなんですよ。会社に勤めていらっしゃる方ならまだしも、こういう仕事だとね……。そうなってくると、楽しい思い出なんか全然上書きされないし、新しいネタが蓄積されるわけでもない。なので、バレンタインについて聞かれると、ちょっと悩んじゃいますね。……というネタです、今年は(笑)」

――今年、それを使うと来年はまた大変ですね(笑)

新谷「バレンタインについてちょっと考えてみたんですけど、チョコが嫌いな男子は何を望むんだろうって。学生のころは、たとえチョコが嫌いでも、もらえるというステータスに意味があるわけですよね。だからチョコは嫌いでも、もらえるという行為だけでたぶん満足できる。でも大人になると、そういうわけにもいかないので、『あの人、甘い物は嫌いって言ってたし、どうしよう』とか、考えてしまうわけですよ。たとえば現場に持っていくにしても、みんなでどうぞって形ならいいんですけど、ひとりひとりに義理でも配ろうとすると、甘いものが嫌いとわかっていても、さすがにあげないわけにはいかないじゃないですか。そんなことがずっと気になってしまうので、製菓会社の方もチョコじゃなくて、クッキーとかもっと甘さ控えめの物にしてくれたら良かったのにって(笑)」

――大人になっても、男はもらえるのがステータスだと思いますよ

新谷「だったら代わりに、何を流行らせればいいかなって、今年は考えてみました」

――何にしましょう?

新谷「答えはまったく出ていないですけど(笑)、お菓子以外で何かないかなって。たとえば"にぼし"とか……」

――色気ゼロですね(笑)。においもしますし

新谷「においか……。学校によっては、お菓子を持っていくと怒られることもあるじゃないですか。だったら、お菓子以外ということで、卵焼きとかダメですかね。いろいろと考えてはみたのですが、特に思いつくこともなく(笑)」

――新谷さんが直接何かをするかどうかは置いておいて、バレンタインデーというイベント自体はいかがですか?

新谷「あまり気にしないほうですね。クリスマスのほうがテンションもあがります。バレンタインデーが近づくと、お店のディスプレイがめちゃくちゃ可愛くなるので、それはすごく楽しいんですけど、私自身、あまりチョコが好きじゃないので……」

――それはテンションも上がりませんね

新谷「チョコをモチーフにしたアクセサリとかが出てくると、可愛いのでついつい買ってしまうんですけど、でもそれはバレンタインじゃなくても買ってしまうと思うので……。可愛いものが増えるところはちょっと好きですが、意識することはあまりないです。すいません、甘い思い出がなくて(笑)」

――こちらから聞いておいてなんですけど、ここで甘い思い出を語られてもちょっと困ってしまいますし……

新谷「ですよね。すごくラブラブなことを語りだしても、困っちゃいますね(笑)」

(次ページに続く)