来年1月8日よりスタートするNHK大河ドラマ『平清盛』のロケが15日、京都市内で行われ、平清盛を演じる主演の松山ケンイチ、佐藤義清役の藤木直人が流鏑馬(やぶさめ)に挑んだ。

左から、藤木直人、松山ケンイチ 拡大画像を見る

この日、収録されたのは、上皇の身辺を警護するエリート集団「北面の武士」としてともに活躍する清盛と義清が、武芸場でのやぶさめの稽古で初めて出会うシーン(第4回 1月29日放送予定)。のちに出家し、歌人としても有名な僧・西行となる義清は、清盛の生涯の親友となっていく。8月から乗馬や弓の稽古を積んできた松山と藤木が、実際に衣装や装具を着けてやぶさめに挑戦するのはこの収録が初めて。松山は5回中3回も的に矢を的中させる見事な腕前を見せ、撮影スタッフらを驚かせていた。

松山はやぶさめの感想を「思ったより難しいものでした。すごく緊張しながらやってました」と。「練習は回数を重ねてやりましたが、今日のように直線の馬場でやることが少なかったんです。練習で本番をイメージしながらやってても、実際の現場に行くと変わってくるので、ドキドキして怖かったです」と明かしながらも、「でもすごく楽しい。画面で見ると迫力があるし、かっこいいシーンになると思います」とダイナミックなやぶさめのシーンに自信をのぞかせた。

一方、この日、武士の扮装姿を初公開した藤木は"文武に秀でたやぶさめの達人"という役どころ。「乗馬の練習では、僕の乗り方が悪いのか、おしりを鞍にぶつけてしまって。一回練習に行くと、そのあと一週間ぐらいは椅子に座るのも痛くて大変でした」と役作りには苦労も多かったようだが、本番ではさっそうと馬を駆る勇ましい姿を披露していた。だが、やぶさめの方は思うようにいかなかった様子で「僕の技量が足りないせいか、一度も矢を射ることができなかった。でも、ドラマでは映像のマジックで達人に見えていると思います(笑)」と笑わせた。

清盛の魅力を「自由な発想を持って、日本の将来を変えようといろんなものを作っていったすごくおもしろい人間」と松山

藤木は「義清は"美しく生きる"が信条の人。一方、泥臭くおもしろく生きる清盛をまぶしく見ていたのでは」と役柄を分析

同ドラマでは"アンチヒーロー"、"悪人"というイメージの強い清盛を「世の中を変えようとするエネルギーに溢れた、夢中になって生きている人物」(松山)としてとらえ、その波乱の生涯を人間臭く描いていく。松山は「悪人のイメージが強いからこそ、もっともっと違う面を出していきたい。自由に演じられるキャラクターだと思います」と清盛役への意欲を。そんな松山に藤木も「松山さんはいきいきと人間味溢れる、器の大きな清盛を演じられていると思う。僕は親友という大事な役なので、それに負けないような西行らしさを出していかなければ」と刺激を受けているようだった。