脚本家で映画監督の三谷幸喜の生誕50周年を祝う「三谷幸喜生誕50周年記念大感謝映画祭」が11日、東京・帝国劇場で行われ、29日に公開する映画『ステキな金縛り』に出演する深津絵里や西田敏行ほか三谷作品の常連キャストたちが集結した。

前列左から、深津絵里、佐藤浩市、三谷幸喜、役所広司、西田敏行、中列左から伊東四朗、竹内結子、妻夫木聡、綾瀬はるか、小日向文世、後列左からTKO・木下隆行、山本亘、浅野和之、近藤芳正、伊吹吾郎 拡大画像を見る

"三谷幸喜生誕50周年記念大感謝映画祭"は、映画『ステキな金縛り』公開を前に開かれたイベントで、三谷監督作品の『ステキな金縛り』から深津、西田敏行、竹内結子、TKO・木下隆行、浅野和之、山本亘、『THE有頂天ホテル』から役所広司、近藤芳正、伊東四朗、『ザ・マジックアワー』から佐藤、妻夫木聡、綾瀬はるか、小日向文世、伊吹吾郎が出席し、レッドカーペットが敷かれた帝劇館内の大階段から"三谷内閣"と称して登場するパフォーマンスが行われた。

顔面からケーキに押し込まれた三谷幸喜

その後に行われた舞台あいさつでは、キャスト陣1人ひとりから三谷監督に祝福のコメントが贈られたが、最初に登場した佐藤は「出会った頃は撮影を見学に来てるおじさんという感じだったのに、最近は酒も飲めないのに白金のバーで映画とは何ぞやと語っているらしい。勘違いするなよ、三谷幸喜!」(佐藤)と暴露。その後、続々と登場したキャスト陣も「僕は縁起物として三谷作品に出てるらしい。実力もあるのに」(近藤)、「天才というより、奇人変人」(浅野)と言いたい放題で、小日向は「生放送で僕のことおっぱい好きとか言って! なんて事言うんだ!」と怒りをぶちまけ、笑いを誘っていた。

『ステキな金縛り』に出演していないキャスト陣も祝福に駆け付けていたが、「のこのこ来たけど、俺出てないんですよね。他の映画公開があるのに、何でこっち盛り上げてんだろ?」(妻夫木)、「台本が遅くて、キャスト陣はみんな傷ついていました。『ステキな金縛り』は三谷映画史上、一番笑えるって宣伝してるけど、どういうこと?」(役所)、「僕のこと屈折してるって言ったけど、君の方が屈折してるよ」(伊東)と三谷監督にチクチクと抗議。綾瀬は「私は、三谷さんのことよく知らないので、これで失礼します」と速足で舞台袖に引っ込んでいた。また、三谷作品に初出演の竹内と木下は「監督は小ウソをつくんです。今日もこれは何だ? とポカンとしてます」(竹内)、「皆さんが感じてる以上に、僕はこの場に違和感を感じてます」(木下)とそれぞれ"三谷劇場"の感想を話し、31年ぶりの映画出演という山本は「黒澤監督のように怒鳴らなくて、楽しい現場でした。これから、ステキな人に出会えるといいですね」とメッセージを送った。

最後に現れた三谷監督は、「これは到達点ではなく、通過点。あと、50年で花開いて、さらに50年で名を残すことが夢です」と長寿宣言をし、「51周年もよろしくー!」と叫ぶと、後ろにいた佐藤から「調子に乗ってんじゃないよ!」と顔面からケーキに押し込まれていた。

映画『ステキな金縛り』は、法廷を舞台にしたファンタジー・コメディー。三流弁護士のエミ(深津絵里)は、資産家の妻(竹内結子)殺しの容疑で捕まった男の弁護をするが、アリバイを証明できるのは、一晩中彼の上にのし掛かっていた落ち武者の幽霊(西田敏行)。幽霊が証言台に立つという前代見聞の裁判の行方は?――というストーリーで、29日より全国公開予定。