大切なものをふんわり包んで守ってくれるおなじみの「プチプチ」。本来の緩衝材としての役割が終われば、こんどは私たちに「つぶす」楽しさを与えてくれる優れモノだ。でもずっと悩んでいた。いったいあの「プチプチ」ってどっち側が表なのだろうか?

「プチプチ」はどっち向きで使う?

話を聞いたのは川上産業のプチプチ文化研究所所長・杉山彩香さん。実は「プチプチ」は川上産業の登録商標で、一般名称は「気泡シート」と呼ばれている。この種の緩衝材を作っている会社は全国で5社あるが、川上産業は50%のシェアを持っているそうだ。

さて、早速気になる「プチプチ」の表裏のことを聞いてみた。ネット上では「商品側に平らな面がくるのが正しい」とか「平らな面を外にした方がテープで止めやすい」といった意見もあるようだが……。

おなじみの「プチプチ」

「特に表とか裏ってないんです。作業性やお好みで、粒外か粒内かが決まります。どっち向きにしても衝撃に対する緩衝性は同じです。ただ、例えば保護したいものがプリント基盤のように凹凸のあるものだと、プチプチが引っかかるので、平らな面を内側にする方が多いですし、袋状のものにDVDなどの小物を入れて送る場合などは、封筒への出し入れがスムーズになるようにプチプチを内側にする方が多いようです」(杉山さん)。

1万分の1の確率で出合える粒の形って?

"表裏問題"が解決したところで、もうひとつ気になっていたことを尋ねてみた。「プチプチの粒のなかに『隠れハート』があるって本当ですか?」

「はい、川上産業の『プチプチ』の粒には、約1万個に1個の割合でハート型の粒が隠れています」(杉山さん)。これはぜひとも見つけてみたいものだが、一体なぜ…。「ハート型の粒を見つけた人に『プチラッキー』を感じてもらいたいという想いから始めました」とのこと。「プチプチつぶし」を楽しむときには、一緒にハートも探してみよう。

1万分の1の確率で出合える「隠れハート」

それにしても。せっかく作ったプチプチをやたらとつぶされることについてメーカーとしてどう感じているのだろう。「使い終わったプチプチは、むしろどんどんつぶしてほしいですね。リサイクルしない場合は、ゴミの減容化にもなりますから」(杉山さん)。これからも心おきなくつぶしていけそうだ。

そういえばプチプチを無限につぶし続けられる「∞(むげん)プチプチ」というおもちゃは川上産業とバンダイの共同開発だったとか。「おもちゃのほかにも、iPhoneケースから寝袋までプチプチ関連グッズはいろいろ出ています。専門のオンラインショップもありますよ」と杉山さん。意外にふか~いプチプチの世界、ちょっとのぞいてみてはいかが?