国土交通省鉄道局はこのほど行われた「第5回 ホームドアの整備促進等に関する検討会」の概要と、首都圏の一般利用者を対象とした「鉄道駅の利用の安全に関するアンケート調査」の結果(速報)を公表した。
同調査では、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京急電鉄、東武鉄道、西武鉄道の協力の下、今年6月に1社あたり2~3駅で用紙を配布し、郵送で提出された1,150部以上の回答から集計した。この中で、「ホームから転落またはホーム上で列車と接触した」経験のある人は全体の5%未満だったものの、「ホームからの転落につながる危険な思いをした」という人は20%という結果に。
ホームにおいて危険を感じる状況について聞くと、「混雑しているホーム」「ホームの縁端からの間隔が狭い場所」「列車とのすき間が大きい箇所」はいずれも90%以上の人が「大変危険」または「危険」と答えた。「列車が通過するホーム」が危険と感じる人も80%に及んだ。
現在、JR山手線など首都圏の各路線でも、転落・接触事故を防止するため、ホームドアの導入が進んでいる。しかし、駅によっては数億~数十億円程度の多額の費用がかかってしまうことも。
これに関連し、ホームドア整備の促進のため、税金で費用の一部を負担することをどう思うか尋ねたところ、「そうすべき」が15%、「やむを得ない」と考える人が60%という結果に。一方、「利用者からの追加負担(運賃値上げ)」で補うことに関しては、60%が「やむを得ない」と答えたが、「そうすべき」と肯定する人は5%にすぎず、運賃による負担を認めない人は30%に上った。
また、ホームドアを整備した場合の影響として、比較的認知されているのは「駅での停車時分が伸びる」で、全体の20%弱。ただし、これに関しては65%の人が「全く問題ない」または「問題ない」と考えていることも明らかに。
ホームドアの整備にともなう影響として「大いに問題」または「問題」とされているのは、「ラッシュ時等に乗客の混雑が激しくなる」「他社の路線との相互乗り入れが難しくなる」で、それぞれ55%だった。「ホームに発着する車両の種類が限定される」も45%を占めた。