M-04 エスケープゲーム
作詞 / LiSA◆作曲 / ハチ◆編曲 / ハチ

――続く4曲目の「エスケープゲーム」も、テーマを設定してから、ハチさんの曲の印象から詞を書いた感じですか?

LiSA「これがまた少し違いまして(笑)、『エスケープゲーム』の場合は、プロットと言いますか、テーマがたくさんある中で、ハチさんの曲を聴いたときにこれが合うかなって私が思ったものをハチさんに提案して、そこから選んでもらった感じです。このときは、自分の気持ちだけではなく、曲を作ってくださったハチさんの気持ちも尊重して、そのリアルな心を詞にできたらいいなと思っていたので、私の提案したものの中からハチさんが選んでくれた『エスケープゲーム』という題材をもとに、そこから詞を書かせていただいています」

――ちなみに「永遠」は最初から決め打ちだったのですか?

LiSA「『永遠』は、岸田さんの曲を聴いたときに、もうこれしかないって思ったのですが、『エスケープゲーム』の場合は、いくつかの選択肢があったので、その中からハチさんの気持ちにも合うものを選んでいただいたという感じです」

――「エスケープゲーム」という楽曲は、どういった世界観になっていますか?

LiSA「初めに思い描いていた題材はゲームをしている人で、自分もゲームの中を彷徨っているような人ですね。周りの人は就職したり、大学に行ったりと、いろいろな道を進んでいく中、自分は本当に何をやったらいいのかわからない……そんな迷っている気持ちを何かで表現できたらいいなと思ったんですよ。それで、これはロールプレイングゲームみたいなものに似ているなって思ったので、ゲームという場面を使って詞にしてみました。ハチさんがニコ動などにあげていらっしゃる曲を聴いたとき、リアルな感情をそのまま表現するよりも、言葉遊びなどを入れた、ゲームのような不思議な世界観が合うのではないかって思ったんですよ」

――「エスケープゲーム」の歌詞は実際に話しかけているような、何か少し不思議な感じの詞になっていますよね

LiSA「せっかく一緒に作らせていただくのだから、ハチさんの世界観、もちろん岸田さんもですが、曲を作っていただいた方の世界観も大事にしたかったんですよ。それで、ハチさん自身も不思議な言葉遣いだったり、面白い言葉だったり、喋り言葉だったりといったものをけっこう使われる方なので、そういう部分も活かしていきたいなと思って、このような表現にしてみました」

――それぞれの曲を作詞するのに苦労したところなどはありますか?

LiSA「実は今回のミニアルバムに収録されている7曲の中で、一番時間がかかったのが『エスケープゲーム』で、一番はやく書けたのが『永遠』なんですよ。『永遠』は書き始めるまでに少し悩んだところもあったのですが、実際に書きだしたら止まらなくなって、あっさりと出来上がった感じです。一方の『エスケープゲーム』は言葉を入れる場所がたくさんあるので、どういうストーリーにしようかというところから、どういう表現にしようかというところまで、とにかく一番大変でした」

――ちなみにLiSAさんは作詞の時間がかかるほうですか?

LiSA「どちらかというと速いほうだと思います。実は今回の7曲はすべて、2月の間に曲をいただいて、歌詞を書いて、レコーディングまでしているんですよ。なので、たぶん速いほうだと思います」

――作詞だけではなく、全体的にすごいスピードですね

LiSA「なので、けっこう泣きそうになりながらやっていました(笑)」

――そんな「Letters to U」ですが、全体としての仕上がりはいかがですか?

LiSA「本当に初めはどうなるんだろうって思っていたんですよ。いろいろなアーティストさんに曲を書いていただいているので、何かオムニバスみたいなものになったらどうしようって。でも、けっこう私なりに、曲を書いてくださった方々の気持ちを尊重し、大事にしながら作ったはずなのに、ちゃんとミニアルバムとしてまとまったなっていう印象ですね。曲調自体はけっこうバラバラなのですが、そのすべてが『ロック』というところでちゃんとまとまっているんですよ。LiSAといえばポップだよねとか、コアだよねみたいなジャンル分けがなく、本当に『LiSAといえばロックだよね』という感じで、まとめられたアルバムになっていると思います」

(次ページへ続く)