格付投資情報センター(R&I)は14日、プルデンシャル・ファイナンシャルが買収を完了したエイアイジー・スター生命保険(AIGスター生命)について、プルデンシャルの中期的なグループ戦略における重要性が極めて高いと判断、保険金支払能力を同グループの中核会社と同格のAA-に変更、レーティング・モニターを解除した。格付の方向性は安定的。

プルデンシャル・ファイナンシャルは今月1日、アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)のグループ会社であるAIGスター生命とAIGエジソン生命保険(AIGエジソン生命)の株式取得を完了したと発表している

R&Iは、2010年10月1日の買収合意を受け、AIGスター生命を格上げ方向のレーティング・モニターに指定していた。R&Iによると、プルデンシャルグループは米国で伝統的な個人保険や団体保険に加え、変額年金や資産運用事業を展開するほか、海外事業にも注力。海外事業の主力である日本の生保事業は米国の変額年金と並ぶ成長ドライバーとして位置付けられており、利益貢献度の高さもあって、重要性は極めて高いという。

グループの日本の生保事業はライフプランナーに強みを持つプルデンシャル生命、教職員マーケットに一定の顧客基盤を持つジブラルタ生命、銀行窓販に特化したプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命を軸に展開。AIGスター生命とAIGエジソン生命が加わったことにより、「その顧客基盤は日本の大手生命保険会社に次ぐ規模になる」(R&I)。

プルデンシャルグループは、2012年1-3月中にAIGスター生命とAIGエジソン生命の銀行窓販業務以外の事業を、ジブラルタ生命に統合・合併させる方針。R&Iでは、「AIGスター生命が抱える営業職員チャネルを中心とした顧客基盤とプルデンシャルグループの日本における既存の顧客基盤は相互補完がある程度期待できる」と判断。また、「コスト削減などのシナジー効果も相応に見込まれる」(R&I)としている。