若手芸人の登竜門的お笑いコンテスト『第32回ABCお笑い新人グランプリ』(朝日放送)が10日、同局で行われ、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のウーマンラッシュアワー(村本大輔・中川パラダイス)が最優秀新人賞に輝いた。

最優秀新人賞を獲得したウーマンラッシュアワー。左から村本大輔、中川パラダイス 拡大画像を見る

103組がエントリーした予選を勝ち抜き、この日の本選に駒を進めたのは、アイロンヘッド、トット、さかなDVD、さらば青春の光、ソーセージ、ダブルアート、GAG少年楽団、ウーマンラッシュアワー、ミルクボーイ、尼神インター(以上、決勝ネタ順)の10組。ウーマンラッシュアワーは、村本がハイスピードにボケをたたみ掛け、コミカルなキャラの中川を振り回すテンションの高い漫才で栄冠を勝ちとった。

結成3年目のウーマンラッシュアワーは、昨年の本選にも出場し、審査員特別賞を獲得。その放送を偶然見ていたという島田紳助から高い評価を受けて以来、メキメキと頭角を現し、「M-1グランプリ2010」では準決勝進出を果たした。関西の漫才賞レースでは決勝組に名を連ねる常連だが、優勝は今回が初めてとなる。

100万円とレギュラー番組を獲得

初のタイトル獲得の喜びを中川は「素直にうれしいです。受賞はもちろん、いつもは『ありがとう』と言わない相方が『中川パラダイスよ聞いてくれ。サンキュー』って言ってくれたのが本当にうれしかったです」と。村本は「賞レースには出られても優勝したことがなくて、プレッシャーがすごかったです」と注目されるゆえの苦悩も経験したこの1年を振り返った。また、最愛の祖母が昨年亡くなったことを明かし、「おばあちゃんの写真を待ち受け画面にした携帯電話と、亡くなる前に『何事もがんばれよ』と書いてもらった紙をお守りとしてポケットに入れてまして。それを舞台袖で見て気合いを入れてたんです。お墓にトロフィーを置いて、優勝を報告したいですね」としみじみと感激を噛みしめていた。

最優秀新人賞の賞金は100万円。さらに朝日放送でテレビの冠番組1本、ラジオのレギュラー番組を持つ優勝特典が与えられる。賞金の使い途を聞かれ、「劇場の楽屋が後輩芸人だらけで『お年玉くれ』とか言ってくるんですよ。でも後輩には1円も使わないです!」とケチくさいことを言い出した村本に、すかさず中川から「後輩におごったれよ!」とツッコミが。その中川も冠番組の企画について「海外ロケに行ってみたいです。いろんな遊園地に行って絶叫マシンに乗ってみたい」と屈託のない夢を語り、村本から「お前が海外行きたいだけやないか!」とツッコミ返しを受けて笑わせていた。

なお、優秀新人賞はソーセージ、さらば青春の光、審査員特別賞はトットが獲得し、それぞれ賞金10万円を手にした。