昨日の欧米市場
欧州株式市場は、企業買収観測を背景に底堅い展開が継続し、ストックス欧州600指数は2008年9月以来の高値水準まで上昇。ユーロ圏債務危機をめぐる懸念も緩やかに後退しつつあることから、金融株に根強い買いが入ったことも下支え要因となった。
ただ、行き過ぎた価格を是正する動きが強まっている商品相場の下落を受け鉱山株が下落した影響から、英国FTSE100は5800ポイントを挟んで上値の重い状況となった。米株も金融緩和と減税政策の延長を好感した状況により引き続き堅調な値動きとなった。しかし、市場は米金利の動向に神経質になっていたことから上値は抑えられた。
一方、欧米時間序盤の為替市場は、米債金利の上昇を背景にドル買い基調が継続。ユーロドルは1.32割れ、ドル円は84.00のラインを超えるドル高となった。その後日本時間3時に実施された米10年債の入札が堅調だったことから一時的に米利回りに低下圧力が強まり、一転して利益確定のドル売りへ。
また、本日日本時間5時にNZ中銀が政策金利を発表し、市場予想通り3.00%に金利を据え置いたが、その後の声明文で『回復の兆しがより明確になるまでは低金利を維持』とハト派スタンスを表明したことを受け、対ドル、対円で売り圧力が強まっている。
本日の主要経済指標
・08:50 日本 : 3Q名目GDP値)
・08:50 日本 : 3Q実質GDP値)
・08:50 日本 : 3QGDPデフレーター(確報値)
・09:30 豪 : 11月雇用者数変化
・09:30 豪 : 11月失業率
・15:00 日本 : 11月工作機械受注(速報値)
・16:00 ドイツ : 11月消費者物価指数(確報値)
・17:00 南ア : 3Q経常収支
・18:00 ユーロ圏 : ECB(欧州中銀)月報
・18:30 英国 : 12月商品貿易収支
・20:00 南ア : 10月製造業生産
・21:00 英国 : BOE(英中銀)政策金利発表
・21:00 英国 : BOE(英中銀)資産購入枠発表
・22:30 カナダ : 10月新築住宅価格指数
・22:30 米国 : 新規失業保険申請件数
・24:00 米国 : 10月卸売在庫
・27:00 米国 : 30年債入札(130億ドル)
要人発言
・特になし
アジア時間の見通し
アイルランド議会が2011年予算案を一部承認したことを受け、ひとまずこの問題に対する懸念が後退している。それは昨日のアジアや欧米株式市場の上昇を牽引した銀行セクターの動向にも表れており、行き過ぎた価格の調整圧力が強まっている資源系で軟調な地合いとなり易いだけに、本日のアジア株市場でも引き続き材料視されるかが注目される。
ただ、徐々に週末を意識した展開になることから、中国の利上げ観測にどのような反応を示すか、この点を意識した動きが続く可能性がある。
市場は、中国当局が以前にもまして国内の食品や不動産価格の高騰に神経質になっていることを敏感に感じ取っている。それは3日の中国共産党中央政治局会議で、景気浮揚のための金融緩和から、国内インフレや不動産バブルへの懸念に対応するために出口戦略の方針が打ちだされたことでも読み取れ、早速、今週11日に発表される消費者物価指数(CPI)の内容如何で、金融引締めサイクルが本格化されるとの思惑が台頭しつつある。
実際、昨日の中国株式市場はこの問題が意識され、銀行株や大型株を圧迫した。本日も同様の展開となれば、商品相場の下落と米債金利の高止まりも合わさり、日本株も含めたアジア株式市場全体で景気敏感セクター(銀行株、資源株等)を中心に売り圧力が強まることも考えられる。
一方、為替市場では、ユーロの債務懸念の後退と米金利上昇のせめぎ合いにより、ユーロドルがどちらに傾くかが注目される。
朝方の動向を見ると、米債金利が高止まりの様相を呈しているにも関わらず、ユーロが底堅い。ドルロングの調整という側面もあるが、ファンダメンタルズの面から見れば、昨日実施された米10年債入札が堅調だったこと、追加の金融緩和観測が強まっていることから将来の金利低下圧力を見込んでのドル売り/ユーロ買いとも読み取れることもできる。
焦点は1.3200のラインがサポートとして意識されるかどうかだろう。株式市場で存在感を増す資源株の動向にも直結するだけに、1.3200まで下落した際の攻防には注目したい。昨日は長い下ヒゲを出しての反転となっていることから、12月3日同様サポートラインとして意識されれば、中国の引き締め観測が強まる中でも投資家のリスク選好は続く可能性が出てくるだろう。
ただ、12月に入り1.3400がレジスタンスとして明確に意識されており、1.33ミドルレベルからは徐々にユーロ高への警戒感が出てくる可能性がる点にも注意しておきたい。