西日本鉄道は13日、大牟田線の電車「2000形」の運行終了を発表した。26日から10月16日まで「2000形さよなら運行」を実施し、最終運行日の10月17日には「さよなら2000形貸切ツアー」を走らせる。貸切列車では出発式を行うほか、運行後は同日に開催される「にしてつ電車まつり」で展示する予定。

西日本鉄道「2000形」

2000形は1973(昭和48)年5月に特急電車用として登場した。同社の車両としては戦後初の転換式クロスシートを採用し、冷房設備も完備。空気バネを採用して乗り心地を大幅に向上させた。先頭部は車体幅に等しい3分割窓を使用し、運転室窓下にはステンレスの飾り帯、車体はオキサイドイエローにボンレッドの帯を配した。当時としては斬新なデザインで西鉄の看板列車だったという。登場した翌年には九州の鉄道車両として初めて鉄道友の会のローレル賞を受賞している。

「2000形」は長らく特急列車として使用された。その後、新型の8000形が登場すると、車体側面の出入り口を片側2扉から3扉に改造して、主に急行列車として使用されているという。「さよなら運行」は通常ダイヤにて実施する。前面の塗装を登場当時に戻し、同社の旧社章を装着した姿に復元するとのこと。

10月17日のみ実施される「さよなら2000形貸切ツアー」は、西鉄福岡(天神)駅10:49発、筑紫駅13:00ごろ着。途中、花畑駅で下車、休憩時間を用意する。ツアー参加者には「2000形登場時復刻版カタログ」と「記念乗車証付2000形フォトブック」がプレゼントされるという。ツアー参加者向けの「2000形車両部品オークション」も実施するとのこと。参加費は先頭車と最後部車が大人6,900円(こども6,400円)、中間車が大人5,900円(こども5,400円)。申し込みは西鉄旅行の各店舗とWebサイトで先着順に受け付ける。

「さよなら2000形記念乗車券」表紙

なお、同社は25日から10月17日まで「さよなら2000形記念乗車券」を販売する。内容は西鉄福岡(天神)駅、西鉄二日市駅、西鉄久留米駅、大善寺駅、西鉄柳川駅、大牟田駅の各駅から150円区間の「普通乗車券6枚」と「2000形登場時復刻版カタログ」のセット。価格は2,500円。1,000部限定生産で無くなり次第販売終了となる。販売場所は天神大牟田線の急行停車駅16駅の駅窓口。