アジア時間においては、日本を含めた株式市場が比較的堅調に推移したことに加え、前日までの話題に関しても模様眺めの状態でポジション調整の地合いになった。本邦筋からのクロス円の買いで、107.70以上のS/Lがユーロ円でついたほかは、目立ったフローもなし。豪ドルも午前に発表された設備投資額が市場の予想に反してマイナスの内容(市場予想+2.2%、実際-4%)にもかかわらず、上昇。
ただ、上値においては本邦筋に加え、日米欧景況感に不透明感が払しょくされないために、どの市場においても商いは薄い状態で終始した。
・15:00 (ユーロ圏)9月独消費者信頼感指数
・16:30 (スイス)7月失業率
・17:00 (ユーロ圏)7月M3
・21:30 (米)新規失業保険申請件数
・02:00 (米)財務省7年債入札
昨日の米経済指標の内容から、株式市場も含めてリスク回避的な地合いが強い。こういった中、はたして日銀は単独でも介入を行う用意があるのかどうかという議論が多い。介入が行わると見る向きは、過去の事例を引き合いに出して、正当化できると主張している。
たとえば、日本の輸出筋の為替予約が出遅れており、個人投資家(FXだけではなく)においては海外投資に伴う為替差損への懸念、押して円高による株式市場の低迷の影響、などが挙げられている。
反面、株式市場および円高の展開については、市場の水準、つまり数値をどう防戦を張ったとしても、根本的な構造問題を解決しないのであれば、単なる先送りにしかならず、むしろ構造に焦点を当てる意味でも、無理な行動を起こす必要もないのではないか、という意見も聞かれる。ましてや、輸出筋が為替予約が出遅れているという点に関しては、輸入筋にとっては長期為替を組んでしまった企業は別として、円高は歓迎すべき問題ではないかという意見も聞かれる。
様々な意見はあるが、ポイントとしては行動が行われた場合において、どのようなタイミングで、どの程度の効果があるのかが重要。今晩から白川日銀総裁が米地区連銀のコンファレンスに参加することから、どのような会談を行うのかまでは、円については模様眺めムードになろう。
こういった中、今晩には先週話題になってしまった米新規失業保険申請件数の発表がある。 市場の予想としては、前週同様に50万件前後とみていることから、隠れ失業者数も考慮すれば、米株式市場において明るい話題が出てこない限りは、リスク回避的な視点から上値が重たい展開は継続しそう。今晩からのコンファレンスにおいても話題に上るであろうし、米経済への警戒感がさらに強まった場合には、米経済への依存度が高いカナダ経済への影響も市場では警戒する可能性がある。
原油価格からの影響が大きいだけに、70ドルの大台を割り込んだ場合には、米ドル / カナダドル(USD / CAD)の上昇に勢いをつける可能性がある。テクニカル的に、どうにかウォール街(原市場ダウ平均)は10000の大台を持ちこたえているが、7月の安値からみた61.8%ポイントだけに、終値ベースで下回った場合には、ファンド筋のポジション解消の動きには注意しておきたい。