日産自動車は7月13日、コンパクトカー「マーチ」をフルモデルチェンジし、発売を開始した。価格は99万9600円から164万4300円。
マーチは1982年登場の初代より、運転のしやすさや、使い勝手の良さなどで支持され、国内外で累計565万台を販売してきた。今回4代目となる新型マーチは、初代から続くフレンドリーさを受け継ぎ、さらなる運転しやすさと楽しさに加え、1.0~1.5L(リッター)クラス(ハイブリッド車を除く)でナンバー1の低燃費26.0km/Lを実現した(アイドリングストップ搭載車)。4WDを含む全モデル(アンシャンテを除く)がエコカー減税に適合しており、自動車取得税と自動車重量税が75%減税される。また、同モデルは「マイクラ」として欧州ではすでに発表済み。
エクステリアは、キビキビした走りや信頼感を感じさせるデザインとした。重心を低くし、タイヤを四隅に寄せたデザインにすることでリヤトレッドを拡大。踏ん張り感を強調した。車両感覚がつかみやすい盛り上がったフロントフェンダーを採用するとともに、フロントウインドウの上下・左右の見開き角を拡大し、良好な視界を確保。停止線に止まっても信号が確認しやすく、右左折時などの周囲の確認もしやすくした。また、後端をリフトアップさせた流線型のルーフ形状や、ドアミラーや大型フロントスポイラー、フロア下の形状などを工夫し、Cd値でも0.32という空力性能を達成した。
インテリアは、曲線がインストルメントパネルの左右にバブル形状を作るようなデザインとし、やさしく守られるような感覚のコックピットとした。大型のスピードメーターをドライバー正面に配置し、視認性を向上。タイヤの向きやステアリングの切れ角などを表示する「タイヤアングルインジケーター」により、発進時やバック駐車時にタイヤの方向を簡単に確認できるようにした。そのほか、毎日のあいさつや記念日を表示する「フレンドリーメッセージ表示機能」、キーを取り出さずにドアのロックやエンジンスタートが可能な「インテリジェントキー」と「プッシュエンジンスターター」、それに連動した「ドアロック連動自動格納機能付ドアミラー」、多種多様なポケット類などを装備。ラゲッジルームは従来型マーチと同等の251リットル(VDA)を確保した。
搭載されるエンジンは、軽量コンパクトな新開発の1.2L 3気筒「HR12DE」。高い燃焼効率でクラストップの低燃費を実現すると同時に、中低速域での力強いトルクにより、日常での使い勝手に適した特性とした。トランスミッションは無段変速機に副変速機(2段変速)を組み合わせた新世代エクストロニックCVT。従来の同クラスCVTと比較して20%以上変速比幅を拡大し、レスポンスのよい発進加速と高速走行時の静粛性を向上させた。駆動方式はFFのほかにモーターアシスト式4WDも用意される。
量販グレードの12X、12Gにアイドリングストップを標準装備。信号待ちなどでエンジンを自動的に停止させるもので、非搭載車に比べ10・15モードで2.0km/L燃費が向上するという。アイドリングストップ中はエアコンが送風に切り替わるが、冷暖房を優先する場合はアイドリングストップをOFFにすることも可能。
そのほか安全面については、フロントワイパー連動オートライトシステム、マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ、リヤ間けつ式ワイパー、ハイマウントストップランプ、ABS(アンチロックブレーキシステム)、EBD(電子制御制動力配分システム)、歩行者傷害軽減ボディ、運転席・助手席SRSエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステム、全席ELR付3点式シートベルト、前席ロードリミッター付プリテンショナーシートベルト、スムーズ発進アシストなどを装備する(一部モデルを除く)。
また、日産自動車の関連会社であるオーテックジャパンより、新型マーチをベースにしたカスタムカー「ボレロ」と、福祉車両の「アンシャンテ 助手席回転シート」が発売される。ボレロはクラシカルなデザインの専用フロントグリルなどを採用。発売は7月13日より。価格は146万5800円(FF)と、164万1150円(4WD)。アンシャンテは2011年1月より発売の予定。価格は未定。