狂言師の野村萬斎が、2011年公開の映画『のぼうの城』に主演することが22日、分かった。

映画『のぼうの城』に主演することになった野村萬斎
(C)2011「のぼうの城」製作委員会

『のぼうの城』は、直木賞にもノミネートされた和田竜の同名小説が原作で、戦国時代末期、天下統一を目前にした豊臣秀吉が北条氏を攻めた際、石田三成率いる2万の大軍にたった500騎で徹底抗戦した武蔵国・忍城(現在の埼玉県行田市)の篭城戦を描く歴史エンタテインメント。『陰陽師2』(2003年)以来、7年ぶりの映画主演となる野村は、「のぼう(でくのぼうの意)様」と呼ばれ、領民から慕われた忍城の城代・成田長親(なりた ながちか)を演じる。また、監督は『眉山』(2007年)、『ゼロの焦点』(2009年)の犬童一心と『ローレライ』(2005年)、『日本沈没』(2006年)の樋口真嗣が共同してメガホンを取る。

野村は「このような映像作品に出演できることを素直にうれしく思います」と出演を喜び、「自分は長親のようにぼーっとしているのかなと思ったのですが、そういう自覚が無いところや、時々突然ビックリするようなことを発言するらしいところなどが、既に役に近いのかもしれません(笑)」と自己分析。犬童監督も「初期の段階で『のぼう様』は萬斎さんしかいないという話になっていました」と期待を寄せている。

共演は、長親の幼馴染みで成田家の家老、正木丹波守利英(まさき たんばのかみ としひで)役を佐藤浩市、丹波をライバル視する豪傑、柴崎和泉守(しばさき いずみのかみ)を山口智充、実戦経験はないが、あらゆる兵書を読破した自称・軍略の天才、酒巻靭負(さかまき ゆきえ)を成宮寛貴がそれぞれ演じる。