手芸やクラフト、ストラップブッキングといったあらゆるジャンルのホビーが一堂に集まった日本最大級の手づくりホビーフェア『第34回 2010 日本ホビーショー』が、5月6日~8日、東京ビッグサイトにて開催された。今年は、ソーイングやフードなどの定番ホビーに、新たに "ニット" "デコ" "パソコンホビー" のゾーンが加わって、100ジャンルを超えるホビーが集合した。
何を隠そう、筆者はデコアーティスト2級を目指して特訓中なので、今年は、デコをコンセプトにしたテーマイベント「デコーる・ワンダーランド」が行なわれると聞き、それを目当てにホビーショーにやってきた。すると、幅広い年代の女性参加者が多いこの手づくりホビーのイベントに、マイクロソフトが出展していた。最新デコ事情やPC自作講座の様子をお伝えする。
キラキラのデコバギーやデコベット!
「デコーる・ワンダーランド」エリアでは、20名の人気作家によるTシャツやバッグ、シューズなどの様々なデコリメイク、スイーツクラフトなどのギャラリーブースが設置され、多くのワークショップも開催されていた。デコアートは、デコ電、デコT(シャツ)、デコ雑貨、スイーツデコ、アルバムデコ、ビーズ、ドール、ネイル、ペイント、ステンシルなどと、そのジャンルは多岐にわたり、さらに広がりを見せるトレンドホビーとなっている。
会場には、スワロフスキー・ジャパンやフランスベッドなども出展しており、その一角はとても華やかだ。とくに人目を引いていたのは、デコレーション専用ツールや素材の「クリスタルアートシリーズ(林ケミカル)」のブースに展示されていたクリスタル素材5万個を使用した「キラキラバギー」だ。その他にもヘッドフォン、iPhone、スニーカー、ワイングラスなどスワロフスキーやその他のクリスタル素材で"デコられた"アイテムが並んでいた。
MSが「デコパソ体験ワークショップ」と「PC自作講座」を開催
こうした手づくりの趣味を楽しむ、どちらかと言うと庶民的な雰囲気の会場で、参加者も30~60代くらいの女性層が集まる「ホビーショー」なのだが、そこに今年はなんとマイクロソフトも出展していた。
デコと言えばこれまでにも、「デコパソ」や「デコギター」を紹介してきたが、マイクロソフトのブースでは、まさしくパソコン用のデコレーションを作成するワークショップが開催されていたのである。さらにホビーショーの参加者たちを集めて「PC自作講座」を開催していたのには驚いた。
マイクロソフトブースにて。昨年の「be naturally inspired DESIGN CONTEST 2009 JAPAN デコ部門」でグランプリを受賞した、アーティストの松山絵美さんによるワークショップが開催された |
参加者全員が女性という「PC自作講座」という光景を初めて目にした。Windows 7ロゴ入りの手袋を装着。かなり丁寧に解説され、分かりやすいと評判だった |
PC自作講座に参加した60代の女性は、「パッチワークを趣味にしているので、手芸品などを見に会場に来たら、たまたまパソコンを組み立てるという講座をやっていたので面白そうだと思って参加してみた。家ではインターネットを中心にパソコンはよく使っているけれど、その中身を覗いたのは初めて。説明も分かりやすくてすごく面白かった。もっと質問できる時間があって、パーツがどういうお店で買えるのかなども教えてもらいたかった」
今回の体験では、各パーツの説明を受けながら挿し込むまでの作業まで。「実際に稼働するところまでやってみたい」などの声もあり、参加者たちは興味を持ったようだ |
「PC自作講座」の講師を務めたのは、マイクロソフトOEM統括本部の轟氏(右)と天木氏(左) |
マイクロソフト OEM統括本部マーケティング部マーケティングスペシャリストの轟昇太氏は今回の試みについて次のように話す。「手作り、モノ作りということから、自作PCもありなのではないかと、思い切って開催してみました。デコレーションはかなり順番をお待ちいただくほど大盛況だったが、PC自作講座にも思った以上に興味を持っていただきました。ホビーショーへの出展そのものも初めてだが、いつものアキバで行うイベントとはまったく違う層にアプローチできるいい機会だと感じています」
マイクロソフトブースに展示されたデコパソ |
左はデコレーション用のワークショップ用の準備物、右はPC自作講座用の準備物。パーツの組み込みからデコ装飾までを全部手掛ける「自作デコパソ」がそろそろ登場してもおかしくはない!? |
これまでのIT関連のニュースやメーカー側が発信する情報は、パソコンのパーツやOSやアプリケーションの話など機能の説明から入ることが多く、女性に興味が持たれる要素が少なかったように感じる。今回のマイクロソフトの、「デコパソ」や「手づくり」というキーワードでの女性層へのアプローチは、画期的とも言える。これまでアキバ中心だったカルチャーにこういった新しい切り口が加わることは、新しいパソコンカルチャーが誕生する可能性もあり、面白そうだ。