女優の広末涼子、中谷美紀、木村多江らが14日、映画『ゼロの焦点』(公開中 松本清張原作、犬童一心監督)の初日舞台挨拶に出席した。
「雨にもかかわらず、朝早くから足を運んでいただき、本当にありがとうございます」と挨拶した広末に続いて中谷が「映画を見終えて、お疲れではないですか? (上映時間は)2時間20分でしたっけ?」と話すとと犬童監督が「本編は2時間11分です。その後、5分半くらい中島(みゆき)さんが歌っています(笑)」とフォローし、その言葉に会場からも笑いが起きた。
広末は「今回の映画は、過酷な気候やスケジュールの中、濃密な時間を過ごしてできあがった作品。音楽や編集も完成度が高いので、映像の重厚さを感じてほしいと思います」とアピール |
広末が演じる禎子の夫・憲一を演じる西島。憲一がある日突然、失踪するところから物語は始まる |
撮影で大変だったことを聞かれると、「正直なところ、物語の順番通りに撮影できなくて。初日なのにほぼラストのシーンを撮ったり、西島(秀俊)さんと初対面の日に入浴シーンの撮影が行われたりしました(笑)」と広末。これには西島も「初対面ですからね」とかなり照れた様子で、お互いに舞台上で「すみません」と言い合う一幕も。ちなみにそのようなスケジュールになった理由を、「(役の設定上)新婚の入浴ということで。あとスケジュールは助監督が決めていたので、僕はそれに従うだけです(笑)」と監督は弁解していた。
「雪の中、木村さんと語り合う場面。セットでの撮影でしたが、2人で何時間泣き続けたんでしょうね?」と撮影の苦労を語った中谷 |
一方の木村は「朝から(翌日の)朝まで泣き続けましたよね。撮影が終わる時間を知らされていないので、『いつまで泣けるんだろう?』という先の見えない恐怖がありました。でも美紀ちゃんと化学反応し合いながらお芝居できて、大変だったけど一番大切な時間だったと思います」 |
また、物語の内容にちなみ、「愛する人のすべてを知りたいか?」と質問されると、広末からは「最終的にすべてを知り、お互い受け入れられればいいのでは?」との答えが。続く中谷は、「私も広末さんの境地まで行けたらいいなと思います。でもやっぱりどこかで、相手のすべてを知ることや、逆にすべてを知られることに恐れを抱いているかもしれませんね」とコメント。これを聞いた広末は、思わず「かっこいい……」と呟き、他の出演者や観客の笑いを誘っていた。