『タイタニック』以来12年ぶりとなるジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター』の来日記者会見が、18日、東京・六本木で行われ、シガーニー・ウィーバー、サム・ワーシントンらが出席した。
「映画の中で、私はグレース・オーガスティンという名の植物学者、そして『アバター・プログラム』の責任者を演じます」とシガーニーが挨拶すると、プロデューサーのジョン・ランドー氏からは、「彼女の役名には裏話があって、元は『グレース・シンクレイ』だったんだ。でも彼女から、名前が(『エイリアン』シリーズの)リプリーに似すぎているのでは? と指摘され、この役名に変更になったんだよ」とのエピソードが。
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主演のサム・ワーシントンは「プレッシャーはなかったね」と余裕を見せる一方、ユーモアも交えてトークし、報道陣を笑わせた |
シガーニー・ウィーバー。会見ではマイクを置いたまま話し始める場面もあったが、「芝居の役者は、マイクは使わないものよ(笑)」 |
彼女がキャメロン監督と組むのは『エイリアン2』以来。「(本作について)彼は私に『これは僕が14歳の時に見たかった映画なんだ』と言ったわ。彼だけじゃなく、みんなが持ってる14歳の頃の自分に語りかける映画だと思う」と話す彼女は、監督がSFを「人間とは何かを認識させるメディア」と定義したことにも触れ、「このメッセージを伝えるために、『アバター』は非常に価値ある作品。娯楽性が高いうえにメッセージ性も持った、素晴らしい映画だわ」と本作をアピールした。
本作では高度な3D技術を駆使して作られた映像も大きな話題に。「モーション・キャプチャーの撮影はどのように進められたか?」と報道陣に質問されたサムは、「全面グレーの何もないステージがあり、自分と相手しかいない状態。僕には演技の本質に戻る作業に感じられたし、5歳の子供が遊ぶような感覚で、楽しかったよ。これで(俳優として)お金をもらえるのは犯罪じゃないかと思うほど(笑)」と話し、報道陣の笑いを誘った。撮影前にハワイでリハーサルも行われたそうだが、「僕らは耳と尻尾を付けさせられ、ほとんど裸に近い姿で、エイリアンのように走り回っていたんだ」とサム。たまたま現場に遭遇した人から「一体何をしているのか?」と尋ねられ、キャメロン監督の映画が製作されていることを告げると、「『タイタニック』の監督が……、ずいぶん落ちたものだね」と言われてしまったとか。サムが明かすと、会場はこの日一番の爆笑に包まれた。
会見の前日には、第22回東京国際映画祭で本編の一部が上映されたばかり。それでも現時点では本作に関する情報が少ないため、ランドー氏に「いま言えることを全部教えて」と要望する一幕も。これに「じゃあ2時間半いただけますか?(笑)」と冗談を言いながらも、ストーリーを解説したランドー氏だが、今度はシガーニーから「そんなに喋ってしまって大丈夫?」と本気で心配されてしまい苦笑い。シガーニーは本作について、「精神的な旅が描かれるけど、見る人にとっては肉体的にも大変だから、ちょっと覚悟が必要かも……」と意味深(?)なアドバイスを送っていた。
映画『アバター』は、12月18日より全国超拡大ロードショー。