日本政府観光局(以下、JNTO)はこのほど、2009年7月の訪日外客数と出国日本人数(いずれも推計値)を発表した。

7月の訪日外国人旅行者数は、前年同月から23.3%減の63万3,000人。6月の37.7%減に比べると下げ幅は小さくなったものの、昨年8月から12カ月連続で減少を続けており、外国人旅行者の訪日促進企画「ビジット・ジャパン・キャンペーン」で重点を置いている12市場のすべてでも前年を割り込む結果となった。下げ幅のもっとも大きかったシンガポールの34.6%減をはじめ、中国の32.8%減、韓国の28.4%減(いずれも前年同月比)など、アジア地域における減少率の高さが目立っている。

JNTOでは各市場共通のマイナス要因として、新型インフルエンザの影響による外国旅行需要の委縮、景気低迷による消費の手控え、円高の持続等を挙げている。ただし新型インフルエンザについては、もっとも影響の大きかった6月に対し7月には幾分収まる気配を示したとし、7月の下げ幅が縮まった一因と分析している。

一方、7月の出国日本人数は、前年同月比3.2%減の128万9,000人。減少基調が持続してはいるが、5月の18.3%減、6月の21.3%減に比べると下げ幅は縮まりを見せた。JNTOではこうした結果を受け、新型インフルエンザの感染拡大や景気後退の影響というマイナス要因だけでなく、燃油サーチャージの7月発券分からの廃止、円高の持続による海外旅行の割安感といった下支え要因の影響も見られたとしている。