シェイクスピアの歴史劇『ヘンリー六世』三部作の製作発表が21日、都内にて開催。ソニンら、出演するキャスト総勢37名中36名が会場に勢ぞろいした。

「足をひっぱらないようにしたい」と語るソニンだが、ミュージカル『ミス・サイゴン』ではヒロイン・キム役を務めるなど舞台女優としても活躍中

同物語は、シェイクスピアの実質的なデビュー作。15世紀の百年戦争から薔薇戦争までを生後9ヶ月で王位についたヘンリー六世を中心として描く三部作で、上演時間が三部通して9時間という大作。演出は鵜山仁が担当し、キャスト総勢37名が200役以上の登場人物を演じ分ける。

フランスの救世主、ジャンヌ・ダルクを演じるソニンは「(出演のオファーを受け)惹かれたのは、初のシェイクスピア劇であること。三部作であること。大々々々々先輩と一緒にお芝居できること。そして、対戦国イギリスが舞台という設定の中で、ジャンヌ・ダルクを演じられること」と出演の喜びを語り、「今の時代の中で伝えられる"ジャンヌ・ダルク"を演じたいです」と抱負を語った。

同じく、シェイクスピア劇初挑戦となり、王ヘンリー六世役の浦井健治が「この役を大先輩方に囲まれてやれることが光栄です。何から始めていいのかわからない状態で、本読みをやればやるほど、無力感が……」と語り、ヘンリー六世の妻役の中嶋朋子も「とてつもない大海原に小さなボートで漕いでいくような感じ。最大限に緊張しています」と話すなど、それぞれが9時間におよぶ超大作に対する不安やプレッシャーを口にする中、ヨーク公役の渡辺徹は「こんなに人数が集まっているので、今から打ち上げが楽しみ」と楽観的。顔合わせの際には、「腰が痛い」「ひざが痛い」という話もちらほら聞こえたという出演メンバーに対して、「打ち上げまでみなさん稽古でケガしたり、死んだりしないように(笑)」と叱咤激励していた。

ヘンリー六世と結婚することになるマーガレット役の中嶋

14kg痩せて15kgリバウンドしたという渡辺

「僕のセリフで飽きさせないようにしたいです」と浦井

演出の鵜山が、会場となる新国立劇場を「"みんなの劇場"として使ってほしい」と話すように、同作に関連した無料イベントも企画。英文学者、翻訳家、作家ら多彩な講師が全6回の講座を行う「シェイクスピア大学校」(要事前予約)や、特別展示「シェイクスピアとヘンリー六世展」、特別上映「新国立劇場のシェイクスピア作品公開記録の一挙上映」なども用意されるほか、『ヘンリー六世』特設サイトもオープンした。

キャスト総勢37名中36名が出席。三部一挙公開は、「皆既日食より見るのが珍しいかもしれない」とは翻訳を担当した小田島雄志の弁

『ヘンリー六世』は、新国立劇場(東京・初台)にて10月27日から11月23日までの期間で上演。詳細はこちら