鉄道友の会は15日、2009年の「ブルーリボン賞」に「小田急電鉄60000形」、「ローレル賞」に「豊橋鉄道T1000形」「京阪電気鉄道3000系」を選定した。両賞は2008年4月から2009年3月までに営業運転を開始した新型鉄道車両が対象で、対象車種は18車種だったという。

ブルーリボン賞に選定された「小田急電鉄60000形」

ブルーリボン賞は同会の会員による投票で「もっとも人気のある車両」に贈られるという。受賞した「小田急電鉄60000形」は、日本で初めて地下鉄乗入れに対応した座席指定特急用車両であり、先頭車に非常口用扉を備えつつ、小田急の歴代ロマンスカーの特長となった流線型を継承した。その優れた外観デザインや、バリアフリー対応、乗り心地の良い客室設備について、多くの会員の支持を集めたという。

ローレル賞に選ばれた「豊橋鉄道T1000形」(左)と「京阪電気鉄道3000系」(右)

ローレル賞は車両に精通するベテラン会員10名の選考によって「性能、デザイン、製造企画、運用などの諸点に卓越したものがある」車両が決定された。

「豊橋鉄道T1000形」は3つの車体を繋いだ連接構造で、台車は両端の2台のみ。中央の車両は両側の車両に支えられた構造となっているという。また、モーターを先頭車運転台下に格納することで、純国産車両として初めて、客室内を完全に低床化したことが評価されたとのこと。

「京阪電気鉄道3000系」は中之島線の開業に合わせて登場した快速急行用車両で、新たな京阪電気鉄道のイメージを具現化するため、クラシックな高級感が溢れるデザインを採用したという。座席の表地には、鉄道車両としては世界初めて「高級スエード調マイクロファイバー素材」を使用した。新型車両がコスト削減傾向にある中で、明確なコンセプトに基づく新しいデザインと客室設備の高機能化を実現した点が評価されたとのこと。

なお、今回のノミネート車両は以下の通り。

No 鉄道会社 形式系列
1 東日本旅客鉄道 E331系
2 東日本旅客鉄道 キハE120形
3 日本貨物鉄道 コキ107形
4 東武鉄道 50090系
5 西武鉄道 30000系
6 小田急電鉄 60000形
7 東京急行電鉄 6000系
8 東京都交通局 300形
9 御岳登山鉄道 コ-1形 コ-2形
10 高尾登山電鉄 コ-1形
11 横浜市交通局 10000形
12 名古屋鉄道 4000系
13 名古屋鉄道 5000系
14 名古屋市交通局 N1000形
15 豊橋鉄道 T1000形
16 京阪電気鉄道 3000系
17 南海電気鉄道 8000系
18 神戸電鉄 6000系