日本銀行は10日、マネーストック速報(2009年3月)を発表した。現金通貨と預金通貨からなるM1は0.0%で、13カ月ぶりにマイナスから脱却した。広義流動性も0.0%で、こちらのマイナス脱却は6カ月ぶり。M2は同2.2%増で前月と変わらず、M3は前年比1.3%増だった。

日本銀行が公表する各種金融統計のうち、中央銀行の供給する通貨を示す統計「マネタリーベース」と、対象とする範囲が最も広い金融統計「資金循環統計」のほぼ中間に位置する統計と考えられるのが「マネーストック統計」。2008年6月発表の5月分より、従来のマネーサプライ統計の指標を見直した。一般法人や個人、地方公共団体などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨など通貨量の残高を集計したもので、対象とする通貨や通貨発行主体の範囲に応じて、M1、M2、M3、広義流動性の4つの指標を作成・公表している。

M1は、現金通貨と預金通貨により構成。M3は、M1に全預金取扱機関の準通貨およびCDを加えたもの。M2は金融商品の範囲はM3と同じであるものの、預金の預け入れ先が国内銀行等に限定されている。広義流動性は、M3に、何らかの「流動性」を有すると考えられる金銭の信託、投資信託、銀行発行普通社債、金融債、金融機関発行CP、国債・FB、外債を加えた指標。広義流動性は、相当広範囲の金融商品を含むため、金融商品間の振り替え(例えば、投資信託を解約して預金に振り替える)が生じた場合であっても、比較的安定的に推移するといった特色を有する。