日本テレビ系(一部地域を除く)にて好評放送中のTVアニメ『魍魎の匣』。その第12話「脳髄の事」に、原作者である京極夏彦が"黒衣の男"役としてゲスト出演する。そこで今回は、アフレコ後に語られた京極夏彦のコメントを紹介しよう。
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原作者・京極夏彦が語るTVアニメ『魍魎の匣』
京極夏彦が演じる"黒衣の男"は、関口巽(cv.木内秀信)の小説「目眩」のなかで登場する、黒い手甲をした黒尽くめの男。一連のバラバラ事件を京極堂が解き明かす際に「目眩」の話になり、話を回想するシーンで登場する。
――実際に演じられた感想を教えてください
「原作同様、読みにくい長いセリフが多い作品なのに、僕の出番は二言三言で、キャストのみなさんには申し訳なかったです。そのうえ、僕だけ何もいわれなかったんですよね。声優さんには細かな指示があるんですが、僕にはなくて、テストでも本番でもNGもOKも何もないんですよ。OKぐらい言ってよ、と思いました(笑)」
――アニメをご覧になった感想をお聞かせ下さい
「映像化は何度もしていただいていますが、連続アニメーションは初めてです。僕の作品は動きがほとんどないので、分割したら座敷で喋っているシーンだけで30分終わっちゃう回があるんじゃないかと思っていたら、本当にありました(笑)。でも、座ってるだけなのにちゃんと見せる工夫が随所になされていて、飽きさせない。そのうえ、話の筋をよーく知っている僕が、『来週どうなるんだろう』と思ってしまうシリーズ構成の妙。脚本も演出も練られているし、画作りや音作りもとても細やかで、手のかかった作品だなあという印象です」
――演じられた「黒衣の男」について教えてください
「作中人物(関口巽)の書いた「目眩」という小説の一節です。もうキャラですらない(笑)。なので、役作りも何もないわけで。ほとんど素で読んだという。どういうわけか映像化作品にはよく出演させられるんですよね。映画もアニメも。出たくないんですけど(笑)。『前の作品にも出ていたじゃないですか』と言われたら断れない、気弱な僕です。でも、カメオ出演であっても、まあ通行人とかチョイ役ならいいんですけど、妙にクセのあるチョイ役をやらされるわけですよ。『やるんなら普通の役をやらせてよ』とは思います」
――アフレコされる前はどんな心境でしたか?
「原作者ですからね。短いセリフなら覚えてるわけです。ほとんど原作のままだったので、台本を見るまでもないというか。なのですーっと入って、台本も見ないでこっそりしゃべって、すっと出た、という感じで。特に心構えもなく、周りの声優さんが一生懸命演じられている中、ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
――原作ファン、アニメファンに向けて一言お願いいたします
「原作をお読みの方もお読みでない方も楽しめます。何度見ても味わいのある作品なので、一度だけしか見ないというのは勿体ないです。まもなくDVDが発売されるのでぜひお買い求め下さい。お読みいただいていない方は、原作本もどうぞ(笑)」
■アフレコを一緒に行った関口巽役・木内秀信のコメント
「緊張しました……! 京極先生はとてもお上手でした。関口の小説の題名(『目眩』)の正しいイントネーションを先生に教えていただきました」
DVDリリースについては既報のとおりだが、12月21日には「魍魎の匣 オリジナル・サウンドトラック」(品番:VPCG-84889)がバップより発売される。OPテーマ「Lost in Blue」、EDテーマ「NAKED LOVE」(ナイトメア)のTVサイズも収録された保存盤となっているので、こちらもしっかりチェックしておきたい。
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12月21日に発売される「魍魎の匣 オリジナル・サウンドトラック」のジャケットイメージ |
タイトル | 魍魎の匣 オリジナル・サウンドトラック | ||
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音楽 | 村井秀清 | ||
2008年12月21日 | 品番 | VPCG-84889 | |
価格 | 2,500円 | ||
発売元 | バップ |
(C) 京極夏彦/VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ キャラクターデザイン原案 : CLAMP (C) 2008 CLAMP |