最後に
今回の会場での新しい動きについて少し触れておきたい。目立ったのは端的に2点。1点目は「マクロス」シリーズの復興だ。数年前までロボットフィギュアの世界において、独走状態のガンダムシリーズを追走する二番手的存在は、ミリタリー模型の要素を多分に含んだ『装甲騎兵ボトムズ』のシリーズ商品が担っていた感があるが、今回はその位置に「マクロス」シリーズが座ったという印象。今年放送され、アニメファンの大きな支持を得た『マクロスF』の熱気が冷めやらぬうちにと、各メーカーから歴代バルキリーを中心に続々と新作が出展されている。『マクロスF』の劇場版制作が決定したこともあり、2009年も「マクロス」シリーズの関連商品の盛り上がりは続きそうだ。
2点目は模型の世界に到来しつつある痛車ムーブメント。模型業界における痛車開発の先駆けとなったアオシマに続き、今回は京商やバンダイも新作を出展していた(バンダイはデカールのみ)。アニメも車も好きだが、愛車を痛車にするには勇気がいる……というユーザーにとっては歓迎すべき流れだろう。メーカー側にとっても新規に金型を開発せずとも、ボディ表面上の変更のみで済む、というメリットがあるようだ。痛車の存在が模型業界でも長く定着していくのか、それとも一過性の流行で終わってしまうのか、今後も注目していきたい。