24日、第7回「このミステリーがすごい!」大賞(宝島社・NECビッグローブ・メモリーテック主催)に、柚月裕子さんの『臨床真理』と山下貴光さんの『屋上ミサイル』の2作が選ばれたと発表された。賞金は各600万円。優秀賞は塔山郁さんの『毒殺魔の教室』と中村啓さんの『霊眼』(WEB読者賞も受賞)の2作。賞金は各100万円。受賞4作は宝島社から刊行予定。

今回は全278作品の応募があり、1次選考(通過15作品)、2次選考(同5作品)を経て受賞作が決定した。バラエティ豊かな作品が揃い、選考委員の票が2つに割れたため、大賞・優秀賞ともにダブル授賞に至ったという。大賞を受賞した『臨床真理』について、選考委員の茶木則雄氏は「醜悪なテーマを正統派のサスペンスに仕立て上げた手腕を高く評価したい」とコメント。作者の柚月さんは「作家としてこれから何をしていくのかを常に考えながら、精一杯書き続けていきたい」と話している。

もう一方の大賞受賞作品「屋上ミサイル」について、選考委員の大森望氏は「読みはじめてすぐ、今回の大賞はこれだ!と確信した。キャラと会話は抜群。文章のセンスもいい。私も屋上部に入りたい」と語り、作者の山下さんは「いろいろな人の意見に耳を傾け精進していきたい」とコメントしている。