ミナモは19日、芝浦アイランド(東京・港区) エアテラスに「tokyo harbour b.l.s」をオープンした。小型船舶操縦免許証取得のためのスクールと、クルージングを楽しむレジャーの機能を併せ持つというこの施設。プレス向けに公開されたパーティ船や、体験クルージングで感じた東京湾の"風"をお届けする。

「tokyo harbour b.l.s」施設全景

身近になった東京湾クルーズ

tokyo harbour b.l.sは、三井不動産などが中心となって開発した超高層マンション群「芝浦アイランド」内に位置し、六本木や銀座といった東京を代表する街から10分程度でアクセスできるという。竹芝(東京・港区)などから発着する大型客船や船上レストランとは異なり、少人数で小型ボートを貸切にできるのが特長だ。事業会社であるミナモ取締役の榎本茂氏によれば、「都心で個人的にクルージングレジャーを楽しめる施設は初めて」とのことで、東京を拠点に働き遊ぶ大人に、今までにない"ひととき"を運んでくれそうだ。

レンタルが可能な船は、定員12名のパーティ船(2時間で10万円)「AIR CLAIR(エール・クレール)」と、クルージング艇「トヨタPONAM-26L(定員10名)」「MAXUM2400SCR(定員8名)」。AIR CLAIRレンタル時には、ドライバーが同乗する。電気モーターで走りガソリンの匂いがしない点や、双胴船で横幅が広く横揺れしにくい点がパーティ向きといい、ベッドルームやキッチン、シャワー、トイレといったユーティリティーも備える。

「AIR CLAIR」

船尾部分のデッキにはなんとハンモック(上右)が!

1リビング3ベッドルーム、水まわりのユーティリティーも完備した豪華クルーザーだ。

また、先行して運営されているスクールはハーバーを見下ろす建物内にあり、10時~17時のデイコースに加え19時~22時のナイトコースが用意されている。会社帰りにスケジューリングしても、1級船舶免許の学習を、学科4日(2級は2日)、実技1日で修了できる(国家試験は別日程)。そのためか、都心のビジネスパーソンを中心に、300名あまりが船舶免許を取得しているとのことだ。

教室の様子。インストラクターは若い女性が多いという

"機械生命体"トウキョウを俯瞰する

さて、ラッキーな筆者は、オープンに合わせて行われた特別クルーズを体験させてもらった。ボートから目にした風景を、以下の写真でたっぷりとご覧いただきたい。

乗せてもらったのは、水の揺らぎや疾走感をダイレクトに感じられる小型のクルージングボート

施設内の小さな小さな港「ランチポート」から出航する

芝浦アイランドのできたてピカピカの高層マンションを仰ぐ

水門をくぐると・・・・・・

そこには龍を思わせる奇怪な建造物が

レインボーブリッジをくぐる

もやで煙るお台場

湾岸の一角をしめる工場群

橋やビル、大型船や湾岸に並ぶ工場に高速道路……。海から俯瞰すると、ふだん気にも留めずに通り過ぎている建造物が表情を変える。"機械生命体"トウキョウを構成する個性あふれるピースとでも言おうか。大小、新旧、美醜が混在しながら陸地を埋め尽くす、人工物の多彩さとわい雑さに、圧倒され、興奮を覚えた。海や空といった自然を堪能するのがリゾート型クルージングなら、こちらはタウン型クルージング。都心にいながらにして、日常から隔離された小旅行気分を味わうことができる。曇天のもやに包まれたビル群は幻想的で、夜景や晴天、積雪バージョンなども見てみたいという気持ちがわいてきた。「気軽に」と言うにはやや高額ではあるが、「ここぞ」というときのために、"遊び方の引き出し"に入れておきたい。