魔法士になるために集まった少年少女や、指導員、魔法に寄るべを求める依頼人たちの交流を描いた青春ストーリーとして人気を集めるTVアニメ『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』。今回は、最終回のアフレコ後に行われたインタビューの様子を紹介しよう。

出演キャストが語るTVアニメ『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』

TVアニメ『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』の最終話のアフレコが終了した後に行われたインタビューには、鈴木ソラ役の花澤香菜、緑川豪太役の前野智昭、浅葱ほのみ役の井上麻里奈、山吹ひより役の高橋美佳子、そして原誠一郎役の小山力也といった5人が参加。最終話のアフレコを終えた直後の率直な感想から印象に残ったシーン、アフレコ中のエピソードなどが語られた。

――最終回のアフレコを終えた今の率直な感想からお願いします

花澤香菜「全12話、一言で言って早かったです、すごく。これで終わってしまうんだなって思うと……やはり寂しさがありますね。もちろん、やりとげた……っていう、すっきりした気持もありますし、このお話のテーマにもなっている若者たちの成長を、楽しいことだけでなく、厳しい事もしっかり提示できた、そこの充足感もあります。でも、どちらかといえば、やはり終わってしまって残念な気持ちが強いです。それほど私なりに頑張った作品でした。スタッフの方々、共演者の皆さんにお礼を言いたい気持ちでいっぱいです」
前野智昭「本当にあっという間だった、というのが素直な感想ですね。収録が始まるまでの準備期間がしっかりあったぶん、いざ始まってみるとそこからは早かった印象です。こうしてお話をしていると、ますます寂しい感じが募りますね(笑)。来週もここに来て豪太を演じたい! 切実にそう思っています。もう……こうなったら無理やり続編をつくるしかないかな……と(笑)。このメンバーと共演できて本当に幸せでした」
井上麻里奈「暖かくて、とても幸せな気持ちに包まれていた現場でした。『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』という作品はキャラクターたちの日常を丹念に描いていましたのでこちらにもそれがいつの間にか伝わってきて、この日常がずうっと続いていくものだと、時に錯覚を覚えてしまうくらいでした。それが無くなる……というのは本当に寂しいですね。さっきまで収録していた最終回はストーリーの強さと暖かい希望に満ち溢れていて……。私自身も心の中がざわざわと揺さぶられた感じがしました」
高橋美佳子「サブタイトルにもなっている『夏のソラ』という、この言葉のムードがすごく好きでした。ちょうど涼しくなってきた今の時期に収録が終わるのは、いかにもこの作品らしいなって。秋の気配の物悲しさのせいもあると思うのですが、収録が終わってしまうのは皆さんと同様、すごく寂しいです」
小山力也「本当に! みなさんのおっしゃるとおりですね。とても楽しくて素敵な現場でした。今は、多くの様々な世界観の作品が製作されておりますから、時にはデフォルメされた演技を求められる場合もあります。そんな中、自然体で声をつくらないで、自分の出しやすい声で素直な芝居ができる、それが新鮮でした。もちろんどちらの現場も楽しいのですが……。作品のトーンもリアルでとても自然で、私もそれに刺激を受けながら楽しい収録をさせていただきました。ありがとうございました!」

――印象に残った台詞やシーンがありましたらお願いします

花澤「私は10話のラストでしょうか。ソラと豪太だけのシーンです。ここはソラと豪太がお互いの感情をぶつけ合うとても重要なシーンでした。本番では普通にOKをいただいたのですが、私はなんだか納得ができなくて……。収録が終わった後に、監督さんにお願いをして、このシーンをもう一度収録させていただいたんです。こうしてお仕事をさせていただいてる以上、一度でしっかり全てを出し切るのがプロのお仕事だと思うのですが、どうしても納得がいかなかったんです。少し監督に迷惑をかけてしまったのですが、私なりに思いを込めたこのシーンがとても印象深いです」
前野「本当に素敵なシーンばかりで、ここでお話をしたい事はたくさんあるのですが……。でも一番は豪太が勘違いをしてしまってヤケ酒をしてしまうシーンでしょうか」
小山「ああ、あそこね。そこで豪太もとうとうオトナになってしまったんですよね、いろんな意味で」
前野「はい、豪太もそうしてオトナになってしま……って、なっていません!(笑) それに、お酒すら飲んではいませんし(笑)。それまでクールを装っていた豪太の『心の揺れ』が印象的でした。台詞としては『鈴木は笑顔がいいのにな』って序盤話数の豪太の台詞が好きですね。『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』全編を通して豪太の気持ちをよく表しているような気がします」
井上「江ノ島デートの話数(9話)がすごく印象的です。幸せに満ち溢れていて。それまで少し意固地になっていた豪太の本当の一面がよく見えました。うらやましいなって……、でも良かったねって素直に喜べるシーンだったと思います。この幸せがずっと続いていけばいいのに……。こういう日常の何気ない幸せを綴ったシーンがすごく好きでした」
高橋「ひより役としては『友達』という話数が好きです。下北沢でソラちゃん、ほのみ、ひよりの三人で、るり子ちゃんという小さな女の子にちょっと振り回されてしまう……、そんなかわいいお話でした。女子三人のキャラだけで展開する話数だったので、それも印象的でしたね」
小山「本当にみなさんがおっしゃるとおりなんですが(一同笑)、もう、どれも珠玉の名シーンばかりでしてねえ……本当に演じさせていただいていて幸せの日々でした。私は、役柄上、研修先でソラちゃんを指導する立場ですが、時に自分自身もそこから学ぶ事があったり。そういう誠一郎自身の葛藤や悩みなども少し織り交ぜていただいたのが嬉しかったですね。ソラちゃんと誠一郎の関係はカジュアルな師弟関係とでもいいましょうか……。その距離感がとても好きでした。たまに仲良すぎて豪太に勘違いをさせてしまうんですけどね(笑)。性格もストレートで誰に対してもフェアに接するところがいいな……と思いましたね」

――実際のスタジオで収録上のエピソードがありましたらお教え下さい

花澤「はい、それはもう沢山あるのですが、しいて挙げるのならば、やはり食べ物や飲み物を本当に食しながらの収録が印象深いです。これは初めての体験でした。これがリアルってことなんだな(笑)って思いました。うまく台詞を言えていたかどうか、あとですご~く心配になっちゃいましたけど(笑)」
前野「僕もそうですね。今週は何が食べらるのかなあ、と(笑)。寿司だといいな……なんて(笑)。もちろん食べながらの演技の難しさもありました。でも収録中は本当に集中していて味わう暇などなく、という感じでしたね。それ以外では、実は僕は割りと小心者なので、普通は皆さんに声などかけられないのですが、他の共演者の方やスタッフさんから暖かいお声をかけていただいて本当に嬉しかったです。ああ、いいなぁ……友達ってこういう風にできていくんだなって(一同笑)」
井上「大丈夫、それは仕事上のお付き合いだけかもしれないから(一同笑)」
前野「いや……それでも嬉しかったんです。うわべだけのお付き合いだけでも僕には充分です(笑)」
井上「なんといっても、掟(ポルシェ)さんの家が(笑)。有名なお話なので、ご存知の方も多いと思いますが、ある日の収録で、掟さんがスタジオ入りされた際、『いや~、家が全焼しちゃってさ……』と、笑みさえも浮かべておっしゃっていたのがすごく印象的でした。それと私もマイク前での飲食というのは初めてでしたので、とても新鮮でしたね。雑踏のいわゆるガヤの収録なども街ごとに演じ分けるよう指示をいただいたり。街ごとでノイズや人の気持も違う、ということも勉強になりました」
高橋「はい、私は……、私もやはり掟さんですね(笑)。スタジオではいつも隣に座っていらしたんですが、最初にお会いしたときのインパクトは忘れません。髪もロングですし、アロハシャツですし、そしていつも手ぶらですし(笑)。その後、みなさんにいろいろ教えていただいて掟さんの活動を知ったのですが。私は役者としての掟さんのお芝居のアプローチも大好きでした」
小山「そうですね! 本当にみなさんのおっしゃる……」
キャスト一同「全部それじゃないですか!(一同笑)」
小山「いやいや本当ですよ、ガヤのことだって言おうと思っていましたし、掟さんの事もお話しようと思ってたんですから(笑)。でも、少し、真面目にお話をしますと、実際の収録上のことでは監督と音響監督さんの情熱をものすごく感じました。リアルでありつつ自然体の演技というものを、追求されていたので、私もそれに負けないよう、スタジオでは集中していたつもりです。それゆえ時間がかかった話数もあったのですが、でもそれだけの甲斐があったな……と本編を見て思いましたね」

――作品のクライマックスへ向けて最後にメッセージをお願いします

花澤「『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』の最終回は、たぶん皆さんの想像を上回るお話になると思います。楽しいことも哀しいことも全て乗り越えたあとの人間の優しい気持ちが、ふわっと浮かび上がるような……。みんなが心を込めて作った作品だと私は自信をもって言えます。たくさんの方に絶対に見ていただきたいです。どうぞ宜しくお願い致します」
前野「最終回はキャラクター達の成長した姿も描写されています。豪太自身も顕著に成長のあとが見えると思いますので、豪太ファンはそこもお楽しみに、という感じですね。こうして収録を終えてしみじみ思いますが、『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』のような心温まる作品は貴重です。是非、最後までお付き合い下さい!」
井上「最終回の台本を読んだ時には自然とじんわりと涙が溢れてきました。でもそれは決して哀しい涙ではなく、心温まる幸せの涙だって感じることができて……。この作品に出演させていただくことができて本当に幸せでした。スタッフの皆さんと出演者ひとりひとりが情熱をかたむけて作った作品です。最終回までどうぞ宜しくお願い致します! 本当にありがとうございました」
高橋「個人的には、1話の台本を拝見したときから考えると、まさかこんな最終回になるとは、というのが素直な感想ですね。クライマックスを暗示するような要素は中盤過ぎからあったのですが、最終回はその全てが集約されたラストになっていて、それまでのいろんな感情を洗いさってくれたような……そんな素晴らしい最終回です。淡々としたお話ですが、実はいろんな驚きも隠れていて個性の塊のような作品だったと改めて思っています。最後までこの作品のこの強い個性を味わいつくしてしていただければと思います」
小山「私はアクション作品やCGをふんだんに使った作品も大好きですが、テクノロジーでなんでも出来てしまう世の中で『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』は役者の生の声を大切していただいた作品だと思っています。人間にとって一番大切な感情や命の尊さ、生きる意味をしっかり問いかけてくれた作品でした。毎週、ここで誠一郎を演じさせていただいて、この仕事をしていて本当に良かったと思っていました。若い出演者の方の素直な声と演技に触れて私自身、教えられることも数多くありました。多くの皆様にこの作品を大事に見ていただければ嬉しいです。本当にありがとうございました! 最後までどうぞ宜しくお願い致します!!」

――ありがとうございました

なお、TVアニメ『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』は、10月24日にDVD第1巻がリリースされる。DVD第1巻には、第1話「美瑛より」と第2話「東京」の2話が収録され、価格は5,985円となる。なお、「初回限定版」には、よしづきくみち描き下ろしによる全6巻収納BOXが付属。内容は未定ながら、それ以外の初回特典も用意される予定となっている。

タイトル 魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~ 1
収録内容 第1話「美瑛より」、第2話「東京」(2話収録)
発売予定日 2008年10月24日 品番 GNBA-7570 (初回限定版)
GNBA-7571 (通常版)
価格 5,985円
発売元 インターチャネル・ホロン 販売元 ジェネオン エンタテインメント
(C) 山田典枝/下北沢魔法事務所