京王プラザホテルのシェフパティシエ・穐山敏信氏

東京・西新宿の京王プラザホテルは、同ホテルのシェフパティシエ・穐山敏信氏による「穐山敏信のやさしいお菓子教室」を、3回シリーズで開催している。ホテルパティシエの技を習得できるのに加え、日本各地のブランドフルーツを使うことで、ワンランク上のお菓子づくりが学べるといった魅力から、注目を集めている。ここでは、「佐藤錦のリキュールのババロアとサヴァイヨン」をつくる1回目の教室をレポート。メニュー名を見ると随分とハイレベルな内容のような気がするが、真相やいかに!?

ホテルシェフ直伝だけど、難しくない!

穐山氏は、1994年東日本洋菓子作品展工芸菓子部門・銅賞、1999年東日本洋菓子作品展・銀賞、2001年日本洋菓子連合会第7回ルクサンド・グラン・プレミーオ・3位といった輝かしい経歴の持ち主。しかし教室では、"家庭にある器材や食材を活用してのお菓子づくり"をテーマにしている。

取材をした1回目では、山形産のさくらんぼ・佐藤錦を使用。会場は同ホテル内のバースペースだが、カウンターで囲まれたオープンキッチンがあっという間に教室に早がわり。まず穐山シェフから解説があり、デモンストレーション。その後、約30名の参加者がグループに分かれ、実習に入っていくといった流れである。

ブランドフルーツ・さくらんぼの佐藤錦。シェフ自ら選んだという取材当日の佐藤錦は、糖度18度

オープンキッチンなので穐山シェフの手元がよく見え、参加者たちは真剣にメモをとっている。実習タイムに入ると、穐山シェフが参加者を見てまわり、やさしく指導を行なっていた。それではここで、穐山シェフのレシピを公開するとしよう。まずはさくらんぼの下準備から。これを使って「佐藤錦のリキュールのババロアとサヴァイヨン」をつくるのだ。

さくらんぼの下準備

材料(4人分)
さくらんぼ32個 / シロップ(水100mlに対し、グラニュー糖30gを使用。水とグラニュー糖を日にかけて沸かし、冷ましてたものを使う)適量

つくり方

1.さくらんぼの種を抜く。

2.1のさくらんぼをシロップに漬けておく。漬けておくことで、変色が防げる。


このようにしてつくったさくらんのシロップ付けを使い、「佐藤錦のリキュールのババロアとサヴァイヨン」をつくっていく。レシピは次の通り。

佐藤錦のリキュールのババロアとサヴァイヨン

材料(4人分)
ババロア 牛乳150g / バニラ棒1/4本 / グラニュー糖25g / 卵黄50g / ゼラチン4g / キルシュ酒(さくらんぼのリキュール)20~25g / 生クリーム70g
※今回のレシピでは、確実に早く固めるためにゼラチンを多めに使用。家庭では2.5~3g程度がおすすめ。

サヴァイヨン
卵黄20g / グラニュー糖10~15g / ソーテルヌ・ワイン30g
※ソーテルヌ・ワインは、フランス・ソーテルヌ地方の甘口ワイン。無い場合は甘口の手頃なワインで代用可

仕上げ
下準備しておいたさくらんぼ適量 / ミント適量

つくり方

1.まずはババロアから。牛乳とバニラ棒、少量のグラニュー糖(分量内より)を手鍋に入れ、弱火で人肌に温める。

2.ステンレスのボウルに卵黄を割りほぐし、グラニュー糖を加えてホイッパーですり混ぜていく。空気を含ませながら、白っぽくなるまで混ぜる。

3.2の中に50~60℃まで温めた1を少しずつ入れて混ぜ合わせる。これを手鍋に戻し、弱火で加熱する。

※シェフコメント「ついつい火を大きくしたくなるが、鍋の中は少量なので、火を強くすると卵にすぐに火が入ってダマになってしまいます。大きく"の"の字を書くように鍋底から混ぜ、80℃ぐらいまでゆっくりと温度を上げていきましょう」

4.火が通ったら(約80℃)、水で戻しておいたゼラチンを加えて溶かす。これを茶漉しで漉し、ボウルに移す。さらに氷水に当てながら、急冷する。冷えたらキルシュ酒を加える。

5.別のボウルを氷水にあてながら生クリームを七分立てにし、4へ2回に分けて加える。これを器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。

6.次はサヴァイヨンをつくる。ステンレスのボウルに卵黄とグラニュー糖、ソーテルヌワイン(20g分)を入れ、ホイッパーでよく混ぜ合わせる。

7.6を60℃のお湯で湯煎しながら、ゆっくりと卵に火を入れていく感覚でホイッパーで立てる。

8.火が通ったら氷水に当てて冷やし、残りのソーテルヌ・ワイン(10g)を加えて合わせる。

9.いよいよ仕上げに。5で冷やしておいたババロアを冷蔵庫から出し、下準備しておいたさくらんぼを並べる。ここに8で仕上げたサヴァイヨンをかけて完成。彩りにミントを飾る。