ブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開するアイシェアはこのほど、9月1日の「防災の日」を前に災害への備えに関する意識調査を行い、その結果を発表した。調査の結果、災害への備えをしているのは3人に1人しかいないなどの実態が明らかになったという。調査回答者は312名で、男女比はほぼ同じ。

「地震などの災害に備えて、非常用品は準備していますか?」
アイシェア調べ『災害の備えに関する意識調査』より

調査によると、地震などの災害に備えて非常用品を準備している人は全体の32.7%に過ぎず、3人に2人は特別な備えをしていないことがわかった。

「準備している」とした人に何を準備しているかを複数回答形式で尋ねたところ、トップは「懐中電灯」で82.4%。「飲料水(ミネラルウォーターなど)」「非常食(乾パンや缶詰など)」がともに81.4%で2位を占め、続く「携帯ラジオ」や(62.7%)「応急医薬品」(55.9%)を大きく上回った。

準備している品を男女別に見ると、性別で顕著な差が現れたのは「懐中電灯」で、男性が88.5%と高い割合を占めたのに対して女性は76%とやや低かった。また「携帯ラジオ」も男性67.3%に対して女性58%と男女差がはっきり表れた。一方「非常食(乾パンや缶詰など)」や「衣類」を備えるとした人は女性に多く、同社では「男性は被災時の安全や情報収集に、また女性は被災時の衣食に重きをおいて災害に備える傾向があるようだ」と分析している。

回答者のうち関東に在住する173名に関東での大地震への不安があるかを尋ねたところ、「大いに」と「多少」を合わせると5人に4人は何らかの不安を抱いていることがわかった。ところが「大いに不安」と答えた人でも非常用品を準備している人は半数強に過ぎず、「多少は不安」と答えた人では約7割が何の準備もしていなかった。

災害への備えをしていないと答えた人はその理由を「特に準備を考えていなかったから」(49.5%)、「面倒だから」(25.2%)などと回答。年代別に見ると、若い世代では「面倒」、年齢の高い世代では「自分に関わりがない」という意識がやや強く見られる結果となっている。

しかしながら、自分の住む地域での避難場所を「把握している」と答えた人は67.6%に上り、必ずしも一般の防災意識が低いわけではないことも判明した。特に非常用品を備えている比率が低い20代は避難場所を把握している比率が最も高い。こうした結果は、「個人で物資を備えなくても避難場所に行けば何とかなる」との意識を表しているものと見られる。