マネージャーとして30名ほどのスタッフを束ねる立場にある谷治さん。「本当はオフィスにどっしり構えていたほうがいいんでしょうけれど」と言いつつ、チェックイン・カウンターや搭乗口へ足が向いてしまう。「無事にお客様が乗込み、飛行機が飛び立つ瞬間を見るのが無上の喜びなんです」と語る。
成田空港内を縦横無尽に動き回って仕事をする谷治さんは、まさに空港のエキスパート。そこで、成田空港第1ターミナルのおすすめスポットやスマートな過ごし方について伺ってみた。
「女性におすすめなのはマッサージやリフレクソロジー。海外に出掛ける時は、個人的にも必ず利用するほどです。飛行機に長時間乗ると、やはり身体が疲れますよね。事前にマッサージでほぐしておくと、到着後の疲労度が違うような気がします。バタバタして時間がないときには、10分200円でできるマッサージチェアを利用したりもするんですよ。またネイルサロンもあるので、旅行前にささっと爪のお手入れをするのもいいと思います」。
夏休みのこの時期、子ども連れでの利用も増える。子連れにおすすめの施設はあるのだろうか。「空港内にはオムツ替えのベッドが設置された授乳室や、積み木やすべり台などの遊具があるキッズパーク、TVゲームコーナーがあるプレイルームなどの施設があります。出発前にここでたっぷり遊んでおけば、機内では疲れてすやすや眠ってくれるかもしれませんね」。
「人ごみを避けてのんびり過ごしたいという人には5階フロアがおすすめです。多くの方は出発ロビーである4階で過ごすことが多く、5階は意外に空いているんですよ。レストランのほか、アートギャラリーなどもあり、ゆったりと過ごせます。また、このフロアからは展望デッキにも出られます。間近に飛行機が見られる開放感溢れる空間で、出発前にリラックスしたひと時を過ごすのもいいですね」。
また飛行機好きの人なら、展望デッキのほか「南ウイングの4階出発ロビー奥にあるエクセルシオールからA380 (シンガポール航空)が、手前のサブウェイ(同4階)からは全日空の飛行機がズラーっと眺められますよね。皆さんあまりそちらまで利用しないようで、お昼時間を除けば空いてますよ」と空港を知り尽くしている谷治さんならではの情報を教えてくれた。
空港での楽しみのひとつといえばショッピング。買物好きには南ウイング3階に広がる免税ブランドモール「narita nakamise」が見逃せない。エルメスやブルガリ、ティファニーなどのブランドブティックのほか、バラエティに富んだ品々を揃える免税店がずらりと並び、壮観だ。「空港のブランドブティックでは、最新モデルが免税価格で手に入るので、とてもお買い得。また、折り紙やゆかた、食品サンプルの小物など外国人向けの日本のおみやげも豊富に揃っています。早めに来てショッビングを楽しむというのも、空港の新しい楽しみ方ではないでしょうか」
出発前のひと時を利用してスケジュールを確認したり、メールのチェックをしたいというビジネスマンには、空港内の各所にある無線LANアンテナやインターネット施設が心強い味方に。また、出先からそのまま海外へという場合、シャワールームでさっぱりしてから出掛けることもできる。
「銀行や郵便局、クリニックまであり、空港はまさにひとつの街といえると思います」と谷治さん。「空港で時間を潰すというよりは、空港を積極的に楽しむという感覚でいらっしゃったほうが、より有意義な時間が過ごせると思いますよ」。
まるでひとつの"街"のような成田空港。単なる交通手段としてではなく、旅行前にレジャー施設として事前に施設をチェックして、余裕をもって訪れてみてはいかがだろうか。