矢内理絵子初代女王インタビュー

インタビューにも気軽に答えてくれた矢内女王

会場では、ひっきりなしに祝福の挨拶を受けて、大忙しの矢内女王。一息ついたところで、お話を伺った。対局についてはご挨拶で話していただいたので、ここでは軽い話題に絞ったが、女王は実に気さくに答えてくれた。

──いつもとは別人のようなドレス姿、着心地はいかがですか?

矢内ふだん着ることがないような豪華なドレス、ティアラ、ネックレスまで付けさせていただいているので、それだけで緊張して、挨拶なんて吹っ飛んじゃいました。(笑)

──ふだん着る着物には、何かこだわりが?

矢内将棋という日本の伝統文化に対し、和服でやるというのは、やはり一枚の絵のような美しさがあると思うので、そういう点もアピールできればと思い、タイトル戦では和服を着ています。

──着物によってジンクスがあるんですか?

矢内割と縁起のいいものとかあるんですが、それを気にしていると段々着るものがなくなってしまうので(笑)、気にせずローテーションで着ています。

──大きな対局が終わると、愛車の4駆で飛ばすそうですね?

矢内車の運転が好きなので、気分転換に音楽をかけてドライブします。CDは、X-JAPANとか中島みゆきとか、色々なジャンルの音楽を聴いています。

──優勝賞金の500万円は、どうします?

矢内いただけてから考えようと思っていたので、これから考えます(笑)。

──二冠を達成して、さあ、次なる目標は?

矢内他のタイトル戦の挑戦権を獲得できるように、がんばりたいと思います。

──矢内さんのブログが終わってしまい、寂しがっているファンが多いのでは?

矢内あまりマメではないので、なかなか毎日のように書けないものですから、しばらくはお休みします。

話していると、女王のオーラが輝いている。会場内には、50人を超す女流棋士がいたが、本日の主役の周辺はひときわ明るく輝いていた。米長会長のことば通り、将棋が強いだけでは女王になれないのかも知れない。矢内女王は、それを納得させてくれる。

第2期組み合せ決定! 熱い戦いが再び始まった

矢内初代女王の就位式に引き続き、会場では、「マイナビ女子オープン」第2期公開予選抽選会が行なわれた。司会は、雨宮知典「週刊将棋」編集長と、目下将棋ジャーナリスト修行中の漫画家・さかもと未明さんの二人。さかもとさんは、この日のために誂えた新調の着物姿で登場するほどの気の入れようだ。本選13枠を目指す50人の女流棋士がブロックごとにとステージに上り、自らくじを引いて対局相手を決める。二人の軽妙な司会ぶりが、緊張する女流棋士たちをなごませる。次々と決まる対局相手に、場内は熱気を帯びていく。

第2期マイナビ女子オープンの公開予選抽選会。みんなドキドキハラハラ

予選での対局相手が次々と決まっていく

本選決勝で敗れた甲斐女流二段は、リベンジを期す

毎日コミュニケーションズ滝口直樹取締役の一本締めでめでたく中締め

矢内女王自筆の色紙。「慧眼」は物事をはっきりと見抜く眼力、「一望千里」は広大な世界を一目で見渡すの意

日本将棋連盟所属32人、日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属15人、女流育成会員1人、アマチュア2人の出場女流棋士計50人による第2期マイナビ女子オープン予選は、7月19日(土)からの一斉対局で熱戦の火蓋が切って落とされる。予選を勝ち抜いた13人は、シード3人が待ち受ける本選に挑み、勝ち残った一人の挑戦者が、矢内理絵子初代女王に挑むこととなる。東京・竹橋の毎日コミュニケーションズ「マイナビルーム」で開催されるこの対局の様子は、無料で観戦できるほか、第1期同様にインターネット中継も行なわれる。女王の座をめぐる、女たちの長く、熱い戦いが今年も始まった。