ホンダ(本田技研工業)は、コンパクトなボディサイズに、ゆとりの室内空間とデザインを融合した新しいミニバン「フリード」を、30日から発売する。価格は163万8,000円から225万7,500円。また、福祉車両も用意されており、こちらは価格は205万8,000円から246万8000円(福祉車両は非課税)。

フリードの発表会にて。代表取締役社長の福井威夫氏(右)とフリードLPLの安田浩志氏(左)

新型「フリード」は、1.5L(リッター)エンジンを搭載するコンパクトなミニバン。2001年12月に発売したコンパクトミニバン「モビリオ」の後継機種にあたが、完全な新設計。街中でも扱いやすい全長4,215mm、全幅1,695mm、全高1,715mmというボディながら、薄型燃料タンクの配置や床下構造の工夫により、3列シートやゆとりある室内空間を実現した。車名の「フリード(FREED)」は、"Freedom(自由)"からの造語であり、"Free(自由な)+do(行動する)"という意味を込めたという。

バリエーションとしては、2列目にキャプテンシート(独立シート)を採用した7人乗り仕様、2列目に6:4分割の大型ベンチシートを採用した8人乗り仕様、広い荷室空間を持つ5人乗り仕様の3タイプを設定。7人乗り・8人乗り仕様は3列目に5:5分割の左右はね上げ式シートを採用し、荷室の拡大が可能。27インチの自転車をハンドルやタイヤを外すことなく簡単に積載できる低床で大容量のラゲッジスペースを実現した。また両側スライドドアはまた狭い場所でも乗り降りしやすい600mmの大開口とした。パワースライドドアタイプも設定される。

インテリアは、レイヤードデザイン(2層構造)のインストルメントパネルを採用。視線の移動角度を短くするため、メーターをステアリングホイールの外側に配置したアウトホイールメーターとした。またフロントピラーの断面形状をドライバーから細く見えるよう設計、大型の三角窓の採用などとともに、安心感のある視界を確保したという。一部モデルには最適な運転姿勢が確保できるテレスコピック&チルトステアリングを設定している。

パワートレインには1.5Lのi-VTECエンジンを採用。FFモデルにはCVT(無段変速機)、4WDモデルには5速オートマチックが組み合わせられる。FFモデルは16.4km/L(10・15モード)の低燃費を実現した。サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット式、リアにはH型トーションビーム式サスペンションを採用。

安全性能については、自己保護とともに相手車両や歩行者などにも考慮したボディを採用。サイドカーテンエアバッグシステムやVSA(車両挙動安定化制御システム)をタイプ別に設定した。また、2列目左右席にISO FIX対応チャイルドシート固定専用バーとテザーアンカーを装備する。

環境性能については、全タイプが国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得。また、FFモデルは「平成22年度燃費基準+25%」、4WD車は「平成22年度燃費基準+5%」を達成した。

福祉車両としては、「車いす仕様車」「サイドリフトアップシート車」「助手席リフトアップシート車」の3タイプをラインナップ。ベース車と同じラインで生産することにより、安定した供給を可能とした。

フリード G 7人乗り(FF) ※プレミアムナイトブルー・パール

フリード Gエアロ 7人乗り(FF) ※プレミアムナイトブルー・パール

フリード Gエアロ・Lパッケージ ※プレミアムナイトブルー・パール

フリード Giエアロ 7人乗り(FF) ※ポリッシュドメタル・メタリック

インパネ ※G・Lパッケージ オプション装着車

インパネ ※Gエアロ・Lパッケージ オプション装着車

インテリア ※G・Lパッケージ 7人乗り ベージュ

インテリア ※G・Lパッケージ 8人乗り ベージュ

ペットなどの毛がつきにくい樹脂製のワイパブルマットを採用

ツインリンクもてぎのオーバルコースに置かれたフリード