凶悪犯罪がはびこる荒廃した近未来のデトロイトを舞台に、ギャング団に殺害されサイボーグとして蘇った1人の警官が活躍する――あの「ロボコップ」が帰ってくる。初代ロボコップが1987年に登場してから約20年。1990年代に2つの続編映画や派生となるTVシリーズがリリースされ続けたロボコップだが、2000年を境にぱたりと新作のリリースが止まってしまった。そして21世紀、今世紀初のロボコップが間もなく登場することになりそうだ。

今回のロボコップ新作情報の初出は、配給会社の米MGM(Metro-Goldwyn-Mayer) Studiosが3月13日(現地時間)に発表したプレスリリース。同リリースは米Universal Picturesのワールドワイドプロダクション担当副会長だったMary Parent氏がWorldwide Motion Picture Groupの会長に就任したことを知らせる文章だったが、その中で2008年後半にSony Pictures Entertainmentと共同でリリースする新作の一覧が紹介されている。リストの中には、007ジェームズ・ボンド・シリーズ最新作の『Quantum of Solace』、『Pink Panther』(ピンクパンサーシリーズ)、『The Hobbit』(ホビットの冒険)、『Thomas Crown Affair 2』(トーマス・クラウン・アフェアー2)、『The Outer Limits』(アウターリミッツ)、『Death Wish』(狼よさらば)、『Fame』(フェーム)といった新作や続編に加え、「Robocop」という名称が記述されている。「Robocop」について新作情報が出るのは、これが初となる。

だがロボコップの新作情報が出る一方で、リリース時期や内容、監督や脚本、配役など、多くの部分が依然ナゾにつつまれている。「ロボコップ4」(※1)として続編ストーリーとなるのか、あるいは最新技術を駆使して完全な過去作品のリメイクとなるのか。さらに詳細な追加情報については、今後MGM関係者の発表を待つしかなさそうだ。

※1:米国向けのTVシリーズとして「Robocop 4(原題は"RoboCop: Prime Directives")」がリリースされている

ロボコップの舞台は大企業「オムニ社」が、街の行政や警察組織を牛耳る世界。1作目では、サイボーグ警官として復活した殉職警官のアレックス・マーフィーが過去の記憶を呼び覚まし、自我を取り戻す中で真の敵と対峙していくストーリーだった。2作目ではライバルとなるサイボーグ「ロボコップ2」が出現。3作目では敵役として日本企業や日本製サイボーグが登場し、ロボコップ自身も追加パーツで大幅なパワーアップを果たした。最後の作品から10年以上の時間が経過し、テクノロジーの世界も大きく変化している。21世紀のロボコップは、どのようなパワーアップを果たして登場することになるのだろうか。