アメリカ・カリフォルニアは様々なフルーツの産地として有名で、グレープも例外ではない。アメリカの生食用ブドウ生産量のおよそ90%を占め、アメリカ最大のブドウの産地という。そんなカリフォルニア産グレープ「カリフォルニア・テーブル・グレープ」のおいしさを知ってもらおうと、カリフォルニア・テーブル・グレープ委員会主催のセミナーが開催された。

カリフォルニア・テーブル・グレープ

セミナーの講師で"野菜ソムリエ"の篠田彩子さん

セミナー講師は、"野菜ソムリエ"ことベジタブル&フルーツマイスターの資格を持つ篠田彩子さん。"カリフォルニア産グレープを使った手軽でスマートな朝のシーンの提案"をテーマにした同セミナーでは、カリフォルニア・テーブル・グレープの説明から食べ方、朝食にぴったりなレシピ提案までが行なわれた。

読者の方の中には、「そもそも『カリフォルニア・テーブル・グレープ』って何!?」という疑問をお持ちの方もいることだろう。セミナーでも真っ先にそのことについての説明がなされた。「カリフォルニア・テーブル・グレープとは、『カリフォルニアで生産された、テーブルについて食べるグレープ』をいいます」と篠田さん。カリフォルニア産のグレープはワイン用と生食用、レーズン(乾燥)用の3種類に分かれており、テーブル・グレープは生食タイプのものとなる。

収穫期は5月から翌年2月と長い。これはカリフォルニアが南北に長く、ブドウに適した地域も多いためで、現地ではほぼ一年中出回っている。グリーン、レッド、ブラックの3色があり、50種類以上の品種が生産されている。甘さはすっきりしており、形は円形、長円形、筒円形がある。そして日本のブドウとの最も大きな違いが、皮ごと食べられるという点だ。皮ごと食べることにより、ポリフェノールの一種である「レスベラトロール」など、皮や皮と実の間に多く含まれている身体に有益な植物栄養素「ファイトニュートリエント」が多く摂取できるという。

カリフォルニアでのグレープ栽培の歴史は200年ほど。皮をむかなくてもよい、種を取らなくともよい(ただし、種有りの品種もある)など、手軽に食べられることから人気が拡大していったとのことだった。

続いて、日本では朝食を食べない若者が増えていることにテーマが移る。平成17年の国民栄養・栄養調査によると、朝食欠食率は最も高い20歳~29歳で28.3%。1歳~6歳でも4.5%が朝食を食べていない。さらに平成9年から平成17年の調査の8年間において、朝食欠食率は上昇傾向にあり、今後も欠食率が上がっていくと予想されている。そこで篠田さんが提案するのは、ひと口で食べられるカリフォルニア・テーブル・グレープの朝食だ。

冷蔵庫に入れなくてもテーブルの上に出したままでもOKなので、前の夜からテーブルに置いておけば次の朝に食べ忘れる心配もない。夏場は、冷凍庫に入れておいてシャーベット感覚で食べるのもおすすめだという。篠田さんによると、冷凍しても栄養価はほとんど減らないそうだ。

会場にはカリフォルニア・テーブル・グレープが準備され、試食も行なわれた。赤色の「レッドグローブ」と「ホリデーシードレス」、濃い紫色の「ブラックグローブ」の3種類(グリーンはセミナー時、時期的に入手困難)で、すべて皮ごと食べられる。それぞれ甘みや食感も異なり、シャキシャキした食感を持つものも。皮はやわらかめなので食べる際にも気にならず、食感のアクセントといったところ。甘さは全体的に控えめな印象だった。

左から、「ホリデーシードレス」「ブラックグローブ」「レッドグローブ」。皮に付いている白っぽいものは、農薬等ではなく糖分とのこと

日本の生食用グレープ「巨峰」「スチューベン」も用意されていたので、食べ比べてみる。試しに皮ごと食べてみたが、元々が皮は食べることのできない品種のため苦味もあり、食感にもやや違和感が感じられた。実自体には甘みが多く、ジューシーだった。

手前が日本産のブドウ「巨峰」「スチューベン」