――ゼンマイで走っていたチョロQがリモコン式に進化したのは、どのような理由からでしょう?

「大人のお客様に向けた商品として、手頃な価格でリモコンで動かせるチョロQを作りたいという思いは、以前からありました」

――それが技術的に実現可能になったわけですね。

「ご存知のように、タカラトミーは、チョロQのメーカーであるタカラとトミーが合併してできた会社です。トミーには安くて小さいリモコンカーを作る技術的なノウハウがあったんです。その技術を活用することによって、スタンダードチョロQと同じサイズで価格も1,000円程度の、手軽に遊べるオモチャのリモコンカーを商品化することができました。トミーの技術とタカラが育てたブランドの相乗効果で生まれた商品なんです」

――合併のメリットが、商品開発に反映されたというわけですね。

「トミーの場合は非常に小さなラジオコントロールカーで、ビットチャージーという商品がありましたし、必ずしもコンパクトではないのですが、エアロアールシーという現在もタカラトミーから発売されている安価なラジオコントロールカーもあります」

――そして、先ほどお話しいただいたように、さらにバギーカーにもなるわけですね。

「そうですね。先ほどおっしゃったように、『昔はラジコンが高くて、なかなか買ってもらえなかった』という方が多くて、そういう子ども時代を過ごされた今の大人の方たちにとって、当時、絶大な人気を誇っていたのが、この二つの星のマークでおなじみのタミヤさんのバギーカーだったわけです」

――その要素を取り込んで、チョロQをさらに進化させようとなさった。

「なんとかそういう方向にもっていけないものかと研究を始めて、企画をタミヤさんに持ち込んだところ、ご協力をいただくことができました」

――どういった形での協力ということなんでしょうか?

「プロモーションの部分でもそうですし、なによりパッケージにこの2つの星のマークを入れさせていただけた、というのが大きいです。我々の熱意が伝わって、認めていただけたものと思っています。パッケージのデザインも当時の商品をデータでいただいて、完全に再現することができました」

――パッケージの2つ星のマークが、お仕事の成果の証として輝いているというわけですね。ところで、Q STEERのシリーズ商品は、いずれもコントロール周波数が切り替え可能なマルチチャンネルになっていますね。これは、やはり何人かで一緒に遊べるように……。

「4チャンネル用意しています。4人同時に楽しむことができます」

――ちなみに、最初にチョロQがリモコンになったとき、お客様の反応はいかがでしたか?

「まずは驚きですね。チョロQのサイズのまま、リモコンで思いどおりに動かせるなんて、という。また、大人の方で、子ども時代からチョロQに思い入れのある方、一方で、ラジコンに対する思い入れのある方、その両方が相まって、大ヒットにつながったと思います。今や、150万個を超えるヒット商品になりました」

――なるほどとうなずけるお話ですね。