女性A「こんばんは。今回が初めてなんですか?」
そう言って、声をかけてくれた優しい女性Aさんとしばし話し込む。今回で2回目の参加というAさんは、英会話教室に3カ月程通っていたがお金をかけても、仕事の関係などでちゃんと通えないことがあったりしたという。「1回500円で参加できる英会話サークルなら気軽に英語が話せるし、自分のペースで通えるので英語が身につくと思ったんです」。彼女のモチベーションの高さに関心しているうちに、初級レベルの席にも徐々に人が座り、10席程あった席はいつの間にか埋まってしまった。
19時10分。会場には90人程が初級・中級・上級に分かれて着席し、開始時間を迎えた。初級レベルは皆女性で、私と同じ20代後半ぐらいの人ばかりだ。そして先ほど挨拶した責任者Tomoさんがアドバイザーとして着席。「普段はアメリカ人が講師をするんですが、今日は来ていないので僕が担当します」(Tomoさん)ということで、まずは英語での自己紹介が行われた。
自己紹介は、1人1人が名前と仕事、趣味などを英語で説明する。それに対して参加者が質問をする形式だ。英語で説明できない言葉や語法についてはTomoさんがその都度教えてくれる。ただし、初級レベルといっても、その中でもある程度の質問や会話ができる人もいれば、私のように単語1つ思い浮かばない人間もいる。日本語でのインタビューには結構自信を持っていたはずだったが、英語での会話に緊張しているのか、自己紹介を終えた参加者への質問が何一つ浮かんでこないのに愕然とした。たまに思い浮かんだ質問も英語に変換できない……どうしよう。だが、そうしている間にも次々と他の参加者の質問が飛び交っていく。鳩が豆鉄砲をくらったような顔でぽかんとする私に、Tomoさんが「日本語で質問してもいいんですよ」と助け舟を出してくれたが、やはり声を発せられない始末。情けない思いに胸が押しつぶされそうになった頃、自分が自己紹介する番となった。