分厚いワイン事典はもう不要!?

ソムリエDSには、フランスやイタリア、日本といった国々でつくられた約1,000種類のワインの産地、味の特徴といった情報が収録されている。学生時代、酒屋でアルバイトしていた私は、その店に置いてあった「ワイン事典」なるものを見て驚いたことがある。何に驚いたかというと、その"厚さ"と"重さ"にである。か弱い婦女子には、片手で持つなんて到底無理。厚さを見ただけで勉強する気も萎えてしまうような代物だった。そんなワイン事典に載っているような内容が、たった200~300gのDSで見ることができるとは……。

ここで気になるのが"約1,000種のワイン情報"をどのようにして見せてくれるか、という点。メインメニューには「ワインを調べる」「ワインを眺める」「ワインを学ぶ」「ヴィンテージチャート」「マイワインセラー」といった項目が並んでいる。

まずは素直に一番上の「ワインを調べる」にタッチ

「ワインを調べる」をタッチすると、「名前で調べる」や「条件で調べる」「イメージで調べる」といった項目が。イメージってなんだろうか……。気になるのでこちらを見てみると、「雰囲気・五感」「食べ物・飲み物」といった検索条件が並んでいる。私の場合、ワインを選ぶ際は合わせる料理との相性を重視するが、雰囲気や五感というある意味ファジーな要素でワインを選ぶという発想はちょっと新鮮だった。そこで、「雰囲気・五感」を選ぶ。

「あった! 」「大和撫子」「憂鬱にさようなら」……。これだけ見ていると、とてもワインの検索条件とは思えない。もちろん「ふくよか」や「華やか」といったワインの表現としてしっくりくる項目もあるのだが、「あった! 」が気になって、タッチせずにはいられなかった。

いきなり「あった! 」と表示されると、少し驚く

すると、「エスト! エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ」という名のワインが1件ヒットした。画面左にはラベルや価格が、右側には味の特徴やそのワイン誕生の歴史などが掲載されている。「このワインは知ってるけれど、なんで『あった! 』なんだろう」と腑に落ちない気持ちで解説を読むと、「エスト」とはラテン語で「あった! 」という意味らしい。知らなかった……。ここでまた、ワインを勉強してこなかった自らの行いを悔いる。

「どんなワインが登場するのだろう」とドキドキしながら画面を見ると、知っているワインだった……

気を取り直して「憂鬱にさようなら」をタッチ。そこで登場したのはフランス産の「シャトー・シャス・スプリーン」。解説を読むと、これも「シャス・スプリーン」が「憂鬱を追い払う」という意味を持つことからこの検索ワードが出てきたのだとわかる。「食べ物・飲み物」では「アーモンド」や「青リンゴ」など、ワインの香りや味わいのキーワードとなる単語が並んでいる。ここまで、ゲームに不慣れでも、解説書を読まずとも操作で迷うことなく、順調に進んで来ることができた。なるほど、「対象は20代後半から40代まで」というだけのことはある。

こちらは赤ワインの「シャトー・シャス・スプリーン」

そして、もちろんのことながら、ワイン名を打ち込んで情報検索することも可能。使っていくうちに、「この機能が生きるのは、ワイン売り場ではないだろうか」と思うようになった。